初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201031072A
報告書区分
総括
研究課題名
初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-052
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
桐野 高明(独立行政法人 国立国際医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大滝 純司(東京医科大学病院 医学教育学)
  • 小川 彰(岩手医科大学)
  • 北村 聖(東京大学医学教育国際協力研究センター)
  • 齋藤宣彦(日本歯科大学付属病院内科)
  • 西澤寛俊(特別医療法人恵和会西岡病院)
  • 福井次矢(聖路加国際病院)
  • 山下英俊(山形大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新医師臨床研修制度は平成16 年に導入されて以来、様々な指摘を受けて見直しが行われてきた。これらを踏まえ、本研究は5年後の制度見直しおよび年度毎の検証を行うため、制度の系統的評価に資する客観的データおよび基礎的資料等の整備を目的とする。
研究方法
平成21年度厚生労働科学研究「初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究」で示された以下の4項目につき、先行モデル的に取り組んだ。
(1)初期臨床研修を修了した医師に対するアンケート調査
(2)基幹型病院の指定基準強化に関連した調査
(3)医師人材養成と地域医療に係る地図情報システム(GIS)のデータ整備
(4)コンピュータを用いた全国規模の卒後臨床研修評価システム(EPOC)の検討
結果と考察
(1)については、ローテートした診療科やその期間などの実態、また、適切な臨床研修の期間や医学生が行う基本的手技などに対する考えについて、新制度と旧制度で研修した医師との間での相違が明らかになった。しかしながら、基礎的データの提供にとどまり、正確な評価については今後の検討が必要である。
(2)については、小規模の6病院に在籍する12名の研修医に対するインタビュー等を通じて研修体制を評価した。この結果、小規模の基幹型臨床研修病院においても、臨床研修の到達目標は概ね達成されている事が分かった。臨床研修病院ならびに研修プログラムの質評価のため、今後も同様の訪問調査が有効と考えられる。
(3)については、臨床研修制度導入前後において、研修医の地域分布ならびに研修修了後の移動について地図上に視覚化することが出来た。制度導入前後で研修医の地域分布や移動状況に大きな変化が生じていることが示唆されたが、対象年次が限定的であったことより、今後はより多角的な視点から検討が必要である。
(4)については、EPOC が研修医評価、プログラム評価、制度評価を可能とするツールであることが再確認され、研修ポートフォリオとして普及活用されることを含め、今後の制度設計の段階で十分考慮に入れる必要があると考えられた。
結論
本研究により、臨床研修制度の評価や見直しに必要な基礎的な資料の一部を提供することが出来た。今後、臨床研修制度を経時的に評価するため、本調査と同様の調査を数年ごとに継続して行うとともに、平成21年度研究報告書で触れた調査および研究についても追加実施することが考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201031072C

収支報告書

文献番号
201031072Z