周産期医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201031065A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期医療体制の推進に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-045
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
池ノ上 克(宮崎大学)
研究分担者(所属機関)
  • 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター)
  • 佐藤 秀平(青森県立中央病院総合周産期母子医療センター)
  • 池田 智明(国立循環器病研究センター周産期・婦人科部)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門)
  • 徳永 昭輝(とくなが女性クリニック)
  • 岡本 喜代子(社団福祉法人日本助産師会、おたふく助産院)
  • 関本 美穂(東京大学大学院公共政策学連携研究部)
  • 前田 真(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター総合周産期医療センター)
  • 福井 トシ子(社団法人日本看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,184,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では、全国の周産期母子医療センターの診療体制及び診療実績について適正に評価する項目と評価基準を作成し検討することを目的とした。
研究方法
 平成22年4月1日現在、総合周産期母子医療センター(以下、総合センターと略す)は84ヶ所、地域周産期医療センター(以下、地域センターと略す)は252ヶ所存在する。この内、国立の大学附属病院のセンターを除く施設を、調査の対象とした。平成22年4月1日現在、まだセンターの認可を受けていないが、本年度中に指定または認定される予定の医療機関も対象とした。評価項目の60%以上を満たしたものをA、50%以上?60%未満をB、50%未満をC評価とした。
結果と考察
1. 回答数と総合評価
NICU
 総合 回答数58施設、無回答11施設(MFICUの回答はあるがNICUなし)
    A評価 15施設、B評価 10施設、C評価 33施設
 地域 回答数161施設
    A評価 0施設、B評価 8施設、C評価 153施設
MFICU
 総合 回答数69施設
    A評価 25施設、B評価 25施設、C評価 19施設
 地域 回答数21施設
    A評価 1施設、B評価 5施設、C評価 15施設
NICU
 B評価を受けた8つの地域センターでは、総合センターと比較して人的体制が整っていて、総合センターに匹敵する実績もあげていた。
MFICU
地域センターの多くの施設には、MFICUが備わっていなかった。総合センター内でみると、B評価を受けた施設では、人的体制、設備ともにより整備されているが、ハイリスク妊娠の割合は、地域センターと比較して高くなく、その労力がローリスク妊娠に注がれている可能性が示唆された。
本評価基準は、センターとして地域の周産期医療により貢献した施設を適正に評価することを目的として作成されたためのものである。また、実績があがらない施設においては、その要因がどこにあるかを分析する資料ともなり得ることがうかがわれた。
結論
今回の評価基準は、各施設がレベルアップし、望ましい周産期センター像に近づくための資料として、大まかには使用できるものと考える。ただし、地域の実情も考慮した詳細な部分では課題が残った。また、分娩数や搬送受入れ数等、今後評価の対象になる可能性のある項目も存在し、さらに検討を要する。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031065Z