外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究

文献情報

文献番号
201031060A
報告書区分
総括
研究課題名
外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-040
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学医学部附属病院 小児外科)
研究分担者(所属機関)
  • 里見 進(東北大学 第二外科)
  • 兼松隆之(長崎大学 移植・消化器外科)
  • 杉原健一(東京医科歯科大学 腫瘍外科)
  • 高本眞一(三井記念病院)
  • 橋本英樹(東京大学 臨床疫学・経済学)
  • 木内貴弘(東京大学 大学病院医療情報ネットワーク)
  • 宮田裕章(東京大学 医療品質評価学)
  • 後藤満一(福島県立医科大学 第一外科)
  • 本村 昇(東京大学 心臓外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師の適正配置や適切な医療水準を維持するための専門医の役割などを検討するためには、外科専門医が関与している外科手術の全数把握が不可欠である。本研究は外科専門医制度に関わる学会が協働して、地域医療を支える外科医及び症例の実態を把握し、将来的に外科医のあり方の検討が可能なネットワークの基盤整備を行うことを目的として実施された。

研究方法
平成22年度は、データベース事業を継続的に運営することができるように、学会同士の連携により管理運営組織として「一般社団法人National Clinical Database」を立ち上げ、活動を開始するに至った。また、大規模な臨床データベースの正当性について生命倫理の4原則に基づいて検証した。その後、実際に日本外科学会拡大倫理委員会で倫理審査を受け、課題を明らかにした。さらに、症例登録のための仮システムを構築し、登録作業の検証を行った。

結果と考察
臨床データベースの構築にあたっては、データ登録に関する同意(オプト・イン/オプト・アウト)の取得、登録目的、登録情報の開示、登録情報の漏洩予防、登録される情報の匿名化、参加に係わるコストの削減、参加条件の設定、データ利用の受付条件の設定、データ分析結果の公表内容の吟味、データ分析の限界に対する配慮、データ分析結果の公表対象の吟味、資金提供元の明示といった形で正当性を確保する必要があることが明らかになった。登録作業の検証では、システムの作動の不調、メッセージの内容のわかりづらさ、入力にかかる時間の多さ、登録項目の不備、項目のレイアウトのみづらさ、入力補助機能の追加、入力者・入力日時に関する情報の表示、項目の順序の変更、登録終了時の新規入力アナウンス、登録した症例の削除機能の追加、症例検索機能の改善といった課題があることを明らかにした。

結論
実際の本登録が2011年1月より開始されており、今後は、正確性や有用性、実現可能性、正当性といった観点から対応の是非や優先順位を見極めていくことが求められる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031060Z