若手総合医育成による医師不足対策について

文献情報

文献番号
201031057A
報告書区分
総括
研究課題名
若手総合医育成による医師不足対策について
課題番号
H21-医療・指定-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
濱口 杉大(江別市立病院 医務局総合内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
1,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
若手医師が集まる魅力ある教育研修システムを作り、将来の総合内科医チーム循環型システムの導入により北海道の地域の医師不足を解消することを目指す。
研究方法
①総合内科指導医による教育
当院で研修を受けた総合内科指導医が1名加わり、総合内科医による教育が強化された。
②各内科専門医との連携
地方病院勤務で必要となる急性冠症候群への初期対応、心電図読影、心臓超音波検査実施、一時ペースメーカー挿入に関して、当院循環器科内科医による後期研修医への指導により、独自で実施できるレベルに達した。
③教育専任外部講師の招聘
全国から指導医を招聘し近隣の研修医、医学生などにも声をかけ合同カンファレンス、レクチャーを開催した。
④医学教育専門指導医の定期招聘
医学教育の専門家を定期的に招聘し研修医の評価を行った。
⑤他施設との提携
当科の研修でカバーできない多発外傷や脳血管疾患などを中心とした高度救命救急に関して外部施設と提携し研修ができるようにした。
結果と考察
23年度から新たに初期研修医が計4名、後期研修医が計4名の内定したほかスタッフ2名が加わり、合計で初期研修医6名、後期研修医5名、総合内科スタッフ7名という飛躍的な総合内科医あるいは総合内科医を目指す研修医の増加を達成できた。これは若手医師を引きつける研修環境の土台が築かれた証拠であると考える。新臨床初期研修制度の出現を機に大学からの医師の派遣は現実的でなくなった以上、若手医師の最も集まる研修病院から医師を派遣することが地方病院の医師不足の重要な解決策となりうる。疲弊を防ぐためにチームで派遣すること、医師自身や家族の生活を考慮し短期間の派遣であること、当直業務に強い若手医師のチームであること、教育環境を生み出すために指導医と研修医を含めること、を柱とした総合内科医循環システムの構築を検討している。道内約10か所の研修病院に同様の研修教育環境を作り、それぞれの病院が総合内科医循環型システムで地方病院に医師を派遣できれば、北海道の地域医療は崩壊から逃れられると考えられる。
結論
研修教育環境を強化することにより若手医師が集まる魅力のある研修教育の土台が築かれ、総合内科医を目指す若手医師の数の大幅な増加がもたらされた。この環境を維持、成熟していくことで将来の医師不足の解決策の1つとなりうる「総合内科医チーム循環型システム」の実現が可能であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-08-02
更新日
-

文献情報

文献番号
201031057B
報告書区分
総合
研究課題名
若手総合医育成による医師不足対策について
課題番号
H21-医療・指定-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
濱口 杉大(江別市立病院 医務局総合内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
若手医師が集まる魅力ある教育研修システムを作り、将来の総合内科医チーム循環型システムの導入により北海道の地域の医師不足を解消することを目指す。
研究方法
21年度は研修教育環境整備の開始、土台作りとして
(1)内部の教育環境の整備
(2)教育専任外部講師の招聘
(3)医学教育専門医の定期招聘による研修フィードバック
(4)研修環境の外部への宣伝
を中心におこなう。
22年度は21年度から開始された研修環境づくりを継続しつつ以下の項目の強化を行う。
①総合内科指導医による教育
②各内科専門医との連携
③教育専任外部講師の招聘
④医学教育専門指導医の定期招聘
⑤他施設との提携
結果と考察
21年度は研修医の数、見学医学生の数の増加が認められた。22年度で各項目を強化することにより研修システム全体が洗練され、23年度からは初期研修医6名、後期研修医5名、総合内科スタッフ7名という飛躍的な増加を達成することができた。疲弊を防ぐためにチームで派遣すること、医師自身や家族の生活を考慮し短期間の派遣であること、当直業務に強い若手医師のチームであること、教育環境を生み出すために指導医と研修医を含めること、を柱とした総合内科医循環システムの構築を検討している。江別市立院だけでは北海道の地方小規模病院のすべてをカバーできないため、道内約10か所の研修病院に同様の研修教育環境を作り、それぞれの病院から総合内科医循環型システムで地方病院に総合内科医チームを派遣することができれば、北海道の地方の地域医療は崩壊から逃れられると考えられる。
結論
研修教育環境を強化することにより若手医師が集まる魅力のある研修教育の土台が築かれ、総合内科医を目指す若手医師の数の大幅な増加がもたらされた。この環境を維持、成熟していくことで将来の医師不足の解決策の1つとなりうる「総合内科医チーム循環型システム」の実現が可能であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-08-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031057C

収支報告書

文献番号
201031057Z