ケースメソッドを利用した、医療機関経営に関わる専門人材の養成・能力開発プログラムの開発と実証に関する研究

文献情報

文献番号
201031054A
報告書区分
総括
研究課題名
ケースメソッドを利用した、医療機関経営に関わる専門人材の養成・能力開発プログラムの開発と実証に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-038
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
徳田 禎久(社団法人 全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
  • 西澤 寛俊(社団法人 全日本病院協会)
  • 飯田 修平(社団法人 全日本病院協会)
  • 伊藤 一(小樽商科大学)
  • 池上 直己(慶應義塾大学)
  • 長谷川 友紀(東邦大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,320,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、①ケース教材の作成・改定、②教育コースでの実証、③これまでの受講者を対象にしたニーズ調査に基づくアドバンストコースの開発・実証、④教育プログラム開発についてマニュアルを作成・公開することにより、他の医療職種教育への寄与を図ることを目的とする。
研究方法
(1)ケース教材の開発
既存ケースの改定を4、新規開発を3ケースについてそれぞれ実施した。改定に当たっては、これまでのディスカッションの内容を反映したものとするほか、医療環境の変化、モデル病院の経営データの更新などを考慮した。
(2)ケースメソッドを用いた教育プログラムの検証
トップマネジメント32人を対象に、1泊2日で4回(合計8日間)の教育プログラムを実施した。各セッションについて、評価担当者による専門家評価および受講者によるアンケート評価を実施した。
(3)アドバンストコースの開発と検証
既受講者にアンケートおよびヒアリング調査によりニーズを明らかにし、これまでの教育成果を検証するとともにアドバンストコースの開発を行った。特に財務管理、人事管理についてニーズが高いことが明らかにされた。1泊2日のアドバンストコースを実施し(18人参加)、導入可能性、効果などの検証を行った。
結果と考察
本教育プログラムは2006年からスタートしている。満足度は2006年から上昇し、2009年度からは安定して高い値を示した。アドバンストコースを含めた評価でも高い値で安定している。
結論
すでに全日病で実施しているトップマネジメントを対象にしたケースメソッドによる教育コースを基に、既存ケースの改定および新規作成を行い、修了者のアンケート調査などにより問題意識と教育ニーズを明らかにし、これを基にアドバンストコースの策定と試行を行った。ケースメソッドによる教育は、不確定性が高い領域における問題処理能力向上を図る手法として、一般産業界では広く用いられており、医療への導入も試みられている。医療分野と他の経営分野の連携による教育ブログラムの開発は高い効果をあげることが期待できる。
 行政刷新会議でも指摘されたように、医療機関のトップマネジメント教育手法の開発は、病院の今後の経営に密接に関わるとともに、民間が主として開発・普及を担うべき領域である。本研究は、医療機関経営の困難さを増している状況下では、社会的重要性、緊急性が高いと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031054Z