女性医師離職防止のための勤務支援好事例の収集と検討

文献情報

文献番号
201031053A
報告書区分
総括
研究課題名
女性医師離職防止のための勤務支援好事例の収集と検討
課題番号
H22-医療・一般-037
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
安達 知子(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター愛育病院 産婦人科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
就学前の子育て中の女性医師の支援のみならず、就学後や思春期の子育て中の女性医師が管理職となっていくためのモチベーションの推進やキャリアモデルの育成を考え、病院や女性医師へヒアリング調査を行うことによって好事例の収集と検討をおこない、将来の目標が見えにくい女性医師にむけて、現場を離れる期間をできる限り短くするばかりでなく、長期的にみて、その離れた期間を十分取り戻して、かつリーダーとして活躍できるという提言を行うことを目的とした。
研究方法
1.有識者との座談会
2.病院、女性医師へのヒアリング調査
3.女性医師へ向けての「女性医師離職防止のためのリーフレット」の作成。
結果と考察
座談会では、本研究の方向性を明らかにした。すなわち、医師をめぐる職場の状況や医師の人事評価の問題、子育て女性医師への支援システム、孤独になりがちな状況を理解し、相談や指導に関るメンターの意義やその利用法、特に、メンター育成が難しいことからメンター制度の運用に対して、学会や医会の中の女性医師支援サイトや商業ベースの中から代替として利用可能なこと、またそれらの広報、キャリアモデルとなる管理職女性医師の育成、等の問題点を抽出した。
調査では、施設長に向け、登用・人事評価システム、女性医師への支援体制、管理職養成のための方策や実績を、女性医師へは管理職キャリアモデルと就学以降の子育て現役中の女性医師に分けて実体験に基づいた提言をヒアリングした。
以上の結果を踏まえ、医師キャリアとライフ・イベント、サポート体制、女性医師への提言を盛り込んだ「女性医師離職防止のためのリーフレット」を作成した。 
結論
女性医師が継続就労することは、安全で質の高い医療を提供するためにも重要である。医師は高い専門性からライフイベント等で一度現場を離れると復帰することは難しく、多様な形態で常勤として継続就労が可能となるように推進することは大切である。
本研究では、女性医師のキャリア形成のための問題点と支援の研究を行い、医師の人事評価、とりわけ勤務緩和を受けている女性医師の評価のシステムづくりはこれからの課題であり、個人が最大限の努力を要さなくても無理なく仕事を継続可能にするシステムの構築が望まれる。子育て中の女性医師は将来が見えにくく、孤独な可能性が伺えるが、本研究で女性医師に生涯のキャリアデザインを示すことができたことは、前向きに就労を継続することにつながる。今後の周産期医療を支える力になると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-04-15
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031053C

収支報告書

文献番号
201031053Z