院内助産システム(助産外来・院内助産)の安全と質に関する実証データを基盤とする評価研究

文献情報

文献番号
201031050A
報告書区分
総括
研究課題名
院内助産システム(助産外来・院内助産)の安全と質に関する実証データを基盤とする評価研究
課題番号
H22-医療・一般-034
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 いずみ(神戸大学 大学院 保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 遠藤 俊子(京都橘大学 看護学部 母性看護学・助産学分野)
  • 山崎 峰夫(神戸大学大学院 医学研究科 地域社会医学・健康科学講座総合臨床教育・育成学分野 産婦人科学・周産期医学)
  • 安川 文朗(熊本大学大学院 社会文化科学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院や診療所において、看護・助産提供体制としての「助産外来」や「院内助産」を置き、助産師を活用する仕組みを「院内助産システム」という。日本各地で、「助産外来」の実施が急速に増加した。それに続き「院内助産」も少しずつ増加傾向にある。そこで、助産外来・院内助産に関する「安全と質の保証」は緊急課題である事から、安全性と質の評価、分娩や患者のアウトカム評価、経済的評価など、安全と質に関する総合的な角度から、「院内助産システム」に関する安全と質の評価を実施することを研究目的とした。
研究方法
助産外来、院内助産に関する2011年3月までの過去10年間にわたる「助産外来」「院内助産」に関する、国内外の文献調査を実施した。内容は、「安全」、「質」の評価と、「経済的」評価等の体系的評価システムについて調査した。また、世界各国の「助産外来」や「院内助産」いわゆる「院内助産システム」に類似するシステムの有無と、その背景となる各国の保健医療制度及び周産期の医療制度を調査した。
結果と考察
「助産外来」「院内助産」に関する文献検討から得られた事は、国内においては、各施設の実施報告が主な内容で、安全と質に関する総合的研究は、ほとんど実施されていないことが明らかになった。原著論文はほとんどないものの、実施報告を体系的にまとめることは、今後の安全や質の評価の視点を明らかにするために重要と思われたため、2011年3月時点までにおける「助産外来」「院内助産」に関する文献89件について各論文概要をまとめた。主な項目は開設までの準備過程、助産外来の担当可能および医師に報告する基準等であった。
質の評価においては、国内外の出産体験の自己評価、満足度に対する文献検討を行った。出産体験の自己評価なのか、出産の満足度なのかの規定は難しく、妊娠分娩の重症度、受けたケアの内容等が特定されない場合に、単に出産体験自己評価や満足度を、質の評価として使用可能か疑問がもたれた。
海外文献調査として、我が国の「院内助産システム」と類似するシステムの有無とその背景を比較検討した。特に米国、英国、オランダ、フランス、カナダの周産期システムについて調査した。米国、英国、オランダ、フランス、カナダの調査結果から、リスクの有無、妊娠週数により、産科医師と助産師を適切に業務分担をしていることが明らかになった。
結論
「院内助産システム」は、開始され間もないシステムである事から、総合的な安全や質の評価が行われていないことが明らかになった。米国、英国、オランダ、フランス、カナダの結果から、海外においても産科医師不足は共通の問題であった。

公開日・更新日

公開日
2018-06-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031050Z