病院情報システム端末からの安全なインターネット直接接続に関する研究

文献情報

文献番号
201031047A
報告書区分
総括
研究課題名
病院情報システム端末からの安全なインターネット直接接続に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-031
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 像情報工学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会)
  • 土屋 文人(国立大学法人東京医科歯科大学 歯学部附属病院 / 国際医療福祉大学 薬学部)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 産業生態科学研究所作業病態研究室)
  • 秋山 昌範(国立大学法人東京大学 政策ビジョン研究センター)
  • 安藤 裕(独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院医療情報課)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学大学院 情報学環)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学大学院 総合理工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の保健医療分野における情報基盤整備に伴い、医療機関外部にある最新のEBM情報などを医療機関内に設置された情報端末を利用して参照することが強く望まれている。しかしながら、医療機関内部からインターネット等を利用して外部に接続するためには、病院内に保存されている個人情報などが漏洩しないための対策をとることが極めて重要である。そこで本研究では、情報端末を認証する仕組み等を導入することで、適切な利用者・端末からのみ病院内の情報に対するインターネット経由での外部接続を可能とするシステムの開発を行う。
研究方法
まず、保健医療の各分野における外部医療情報をインターネット経由で参照し、利用する場面を整理し、現状の課題を抽出した。これらの現状の課題を解決可能な技術としてオンデマンドVPNを利用することとし、オンデマンドVPNを利用したシステムに必要な要件の整理と現状のオンデマンドVPNに不足している技術の整理を行った。以上の検討に基づき、提案システムを実現するための要件を整理し、それら要件を満たすための実現方法について検討した。
結果と考察
まず医療機関からの外部情報参照の必要性と課題の抽出として、病院や診療所、産業保健情報を管理する機関等、薬情報を利用する機関等について、現状のインターネット接続状況を調査し、これら現状に対する分析と課題を明らかにした。この課題に基づき、オンデマンドVPNを利用した新たなシステム構成を提案した。また、このシステムに必要となる要件として、医療機関内、外部接続管理機関に必要となる要件をそれぞれ整理し、これらを満足させるための技術的な実現方法を提案した。以上の研究成果を踏まえ、次年度にはプロトタイプシステムの設計、医療の各分野に適用した際の安全性評価をおこなうとともに、検討結果を厚生労働省が策定するガイドラインに反映させることを目標とする。
結論
本研究では、オンデマンドVPNを利用することで、病院内部の医療情報をインターネット経由で外部接続可能な仕組みを提案し、システムの要件や技術的な実現方法を明らかにした。本研究の成果は、医用機関の内部・外部を問わず統一的なネットワーク管理・運用に必要な仕組みを提供するため、単なる医療情報の参照だけでなく、医療情報連携などにも適用可能であり、電子的な医療情報の流通促進に大いに寄与することになると期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031047Z