病院情報システム端末からの安全なインターネット直接接続に関する研究

文献情報

文献番号
201031046A
報告書区分
総括
研究課題名
病院情報システム端末からの安全なインターネット直接接続に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-030
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山本 隆一(東京大学 大学院情報学環)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 直樹(九州大学医学部附属病院医療情報部)
  • 田中 勝弥(東京大学医学部附属病院企画情報運営部)
  • 矢野 一博(日本医師会総合政策研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多くの医療機関ではレセプトオンラインや緊急安全性情報等、外部ネットワークへのアクセス要求が増大している。今後は患者の自らの診療情報へのアクセス希望も増加するであろう。しかし、プライバシーに機微な診療情報の安全管理には万全を期すべきで、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインでも外部接続は禁止していないが厳重な対策を求め、安易には外部接続できない。本研究の目的は、特別な専門知識のない医療機関が、適切かつ安全に接続するための要件定義した上で可能な方法を示し、ゲートウエイセンターを設置する場合の要件を明らかにする。更にNWGNの自立的Overlay Network技術など、先端技術をサーベイし今後の施策に視する提言も行う。
研究方法
1.現状調査(国内外の医療機関向けネットワークセキュリティの規制や指針の精査と外部接続の実態・懸念事項に関する調査)。2.国内での要求条件を満たす機器・運用を実証し、運用シミュレーションを行った上でフィージビリティを明らかにする。3.複数の医療機関が共同利用可能なゲートウエイセンターと仮想医療機関を構築し、接続とネットワーク構成のモデルを構築、運用シミュレーションを行い要件を明確にする。4.NWGNを調査し、自立的Overlay Network技術での医療ドメインの要件を明確にする。5.上記成果を踏まえ施策の提言を作成。
1は研究代表者が主体で実施し概ね終了。2,3は代表者と田中が主体で行う。2はドイツを中心に終え、23年度は英国と北米を行う。4,5は代表者、分担者および適宜研究協力者とも検討し結論を出す。
結果と考察
医療従事者の意識調査により外部接続が殆ど行われていない状況や漠然とした不安等が類推され大規模アンケート調査への基礎成績をまとめた。また接続を行う機関の通信状況等の調査を行い、ドイツを中心にEU中部諸国における状況も調査した。またゲートウエイモデルの試作に取組みほぼ完成している。概ね計画通りに進行している。
結論
本研究により、管理要員の配置が可能な一定規模以上の医療機関では安全なインターネット接続が可能となり、診療端末から緊急安全性情報やEBM等に直接アクセスができ、情報伝達や資源のアップデートも迅速に行われる。大部分の診療所等では利用不可能だが、その場合は一括して管理を行うゲートウエイセンターが有効な解決方法となる。この要件を明確にすることで、医師会等が設置する場合の指針を示すことができる。さらに将来国際的にも整備が始まるであろうNWGNに対して医療ドメインからの要求を明確に示すことで厚生労働省の役割を明確にすることができる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031046Z