医療現場にとって必要な医療情報標準化の整備と利活用に関する研究

文献情報

文献番号
201031045A
報告書区分
総括
研究課題名
医療現場にとって必要な医療情報標準化の整備と利活用に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-029
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院 医療情報部)
  • 中島 直樹(九州大学病院 医療情報部)
  • 山本 隆一(東京大学大学院 情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
標準化の恩恵を医療者、患者、中小ベンダーが実感できる導入は十分とは言えず、各種標準化規格をいかに現場レベルに浸透させ、医療の質の向上、安全性の向上、利便性の向上等につなげていくかが残された最大の課題である。そこで本研究では、これまで焦点をあててこなかった具体性のある課題に対して今後の技術展開を見据えつつ具体的課題の存在を整理し、その対策提言をとりまとめる。
研究方法
各分担者はそれぞれ中小ベンダー医療情報システムの標準化状況の調査、施設間での診療画像のやり取りおける現場でのトラブル原因分析と対策ソフトの試作、利用者視点のユーザーインターフェースのあり方の分析、センサーネットワークと相互運用性におけるニーズの検討、医療機関が安全にインターネットと通信できる状態に関する現状調査をそれぞれ行う。
結果と考察
標準化の作成と周知は急速にすすめられているのに対して、それらを実際に現場で利用するシーンでは、さまざまな課題が存在し、結果として使用されているものの部分的であったり運用上の工夫が必要であるケースが多く、必要な標準化が局所的に存在しているらめに、全体として普及させるにはニーズに合わせて標準化をさらに進める必要も明かになってきた。また種々の標準を用いて医療施設間で患者情報をやりとりしながら医療を行う場合の責任分界の考え方についても公開シンポジウムで議論し、情報を提供する側が、伝達すべき情報を明確し示した上で、電子的で大量のデータはあくまで参考資料として提供すべきであるという考え方が示されたことは、そうした考え方を取り入れた標準の必要性があることも示唆している。
結論
標準の現場での利活用と普及について、モザイク状に進みつつあり、不十分あるいは不適切な利用も多い。また、不足している標準や、製品への実装の不十分さが目立つ。ユーザインタフェイスのように全く検討がなされてこなかった領域もある。今後、標準の恩恵を利用者が受け、適切な利用が推進されるためには、こうした課題を解決しておき、必要な隙間を埋める標準の作成、標準の利用指針の整備、利用指針を遵守するために必要なソフトウエア等の整備が必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031045Z