歯科医療における院内感染防止システム普及のための評価指標の標準化とその応用について

文献情報

文献番号
201031042A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医療における院内感染防止システム普及のための評価指標の標準化とその応用について
課題番号
H22-医療・一般-026
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
泉福 英信(国立感染症研究所 細菌第一部)
研究分担者(所属機関)
  • 公文裕巳(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 高柴正悟(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 狩山玲子(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 苔口 進(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 小澤寿子(鶴見大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医療は、治療の際の患者との近接、唾液血液の飛び散りなどから病原体に曝されるリスクが高いためスタンダードプレコーションを徹底して行う必要がある。しかしスタンダードプレコーションの理解率は一般開業歯科医師で10%前後と低く、多くの歯科医師が万全の院内感染防止システムの体制での歯科医療を行っていない。歯科医師に院内感染対策を導入させていくためには、導入し易い標準化された指標を作成しそれを普及するシステムが必要である。整備された院内感染防止システムを構築し、いかにそれらを応用して全歯科医師に普及させていくかが本研究の目的である。
研究方法
「一般開業歯科医療における院内感染対策の評価指標の標準化とその歯科医師への導入プログラムの作成」、「デンタルユニット周囲汚染防止システムの標準化の検討」、「歯科用ユニット内微生物汚染除去システムを利用した院内感染防止システムの構築」、「在宅歯科医療における院内感染防止システム普及のための評価指標の標準化の検討」、「病院歯科における院内感染防止システム普及のための評価指標の標準化の検討」、「院内感染防止システム普及のための細菌学的検査指標の標準化の検討」の6つの班を構成し検討を行った。
結果と考察
11の院内感染対策の評価項目の中で, 院内感染対策の講習会への参加、院内感染対策のスタッフへの教育とB型肝炎ワクチン接種を重要課題とし, 患者ごとのタービンヘッドの交換を次に導入すべき重要課題であることが考えられた。ATP法などを利用し, デンタルユニット周囲の除菌効果の評価を行うことが有効であった。また、歯科用ユニット水回路の汚染防止をするために、過酸化水素水の殺菌効果は期待できるものの、その作用方法により効果が異なっており、その使用方法の設定が重要であった。易感染状態の患者では非常在細菌が口腔内で増加し,こうした患者に対する常在菌の維持を目的とした口腔感染対策が重要であった。
結論
院内感染対策を導入していくためには、基本的なスタンダードプレコーションの確立を約80%以上の歯科医師に導入させることを行政、歯科医師会、歯科大学と連携して行い。次に投資の必要なタービンヘッドの交換やデンタルユニット給水系汚染防止システムの設置などのハードルの高い項目を導入させること。自院の感染対策をATP法を用いて、客観的に評価することを加えることによってより標準化された評価指標になると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031042Z