医療事故にかかわった医療従事者の支援体制に関する研究

文献情報

文献番号
201031041A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故にかかわった医療従事者の支援体制に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-025
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
藤澤 由和(静岡県立大学 経営情報学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大川 淳(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科)
  • 小田切 優子(東京医科大学 医学部)
  • 相馬 孝博(東京医科大学 医学部)
  • 我妻 学(首都大学東京 社会科学研究科)
  • 大滝 純司(東京医科大学 医学部)
  • 伊集 守直(静岡県立大学 経営情報学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療事故に際しての患者との関係構築、なかでもその情報提示のあり方と当該事象にかかわった医療従事者の包括的な支援に関する組織体制についてのモデルの検討を通して、個別組織における対応ポリシー作成を支援するメタ・ガイドラインを提示すること。
研究方法
本研究は、平成22-23年度の2年間で(1)諸外国における研究課題の現状把握、(2)これまでに構築したデータの分析、(3)補足的調査の実施、(4)ポリシー作成のためのメタ・ガイドラインのたたき台提示、(5)メタ・ガイドラインを用いての具体的なポリシーの試行的作成とその評価、(6)研究成果のとりまとめを行う。なお平成22年度は、(1)-(3)及び(4)の一部を実施した。
結果と考察
医療事故に際しての患者との関係構築、なかでもその情報提示のあり方に関しては、当該事項に関して一定の政策的展開や具体的な施策が見られるオーストラリアに関しての検討を中心に、付随的にアメリカ、イギリスなどの現状を明らかにした。また当該事象にかかわった医療従事者への包括的な支援を一つの柱とする統合的な組織体制に関してのモデル構築に関しては、患者への情報提示のあり方のそれへの位置づけはもとより、それ以外の重要な要素として、包括的予防策、事故調査スキーム、外的制度を検討し、さらに医療従事者らに求められている支援体制のあり方に関する実証的なデータによる医療従事者らの支援体制への見解に関して明らかにした。
結論
厚生労働行政においては、図らずも医療事故の「加害者」とされた医療従事者の雇用上の不利益や精神的負担の解消が緊急の課題として認識されている。そうした中で本研究成果により、医療従事者の視点に立ち医療事故にかかわった医療従事者、及び医療機関が適切に対応するための具体的な道筋が明らかになると考えられる。これにより個別医療機関がこうした課題に対して具体的かつ実践的なポリシーの構築を通して、安心して業務に従事できる職場環境の整備に対する貢献が考えられた。さらに本研究が想定する医療従事者支援のあり方は、特定の危機的な事案に直面した際の医療機関の組織的対応が端的に現れるものであり、その対応を適切かつ効果的なものとするためには医療従事者への包括的な支援を一つの柱とする統合的な組織体制に関してのモデル構築が早急に求められると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031041Z