日本・中国・韓国における生薬と治療処方の異同性に関する国際比較調査研究

文献情報

文献番号
201031031A
報告書区分
総括
研究課題名
日本・中国・韓国における生薬と治療処方の異同性に関する国際比較調査研究
課題番号
H22-医療・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
柴原 直利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 条 美智子(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
  • 伏見 裕利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,562,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、世界各国では植物薬である生薬製剤の使用が拡大し、植物薬や生薬製剤の国際標準化を策定する試みが進められている。しかし、各国の生薬の基原植物、あるいは伝統医療方剤の構成生薬や配合比には異同があり、植物薬や生薬製剤の国際標準化は、これらの異同についての情報を正確に把握した上で策定する必要がある。そこで本研究は、日本の漢方処方、中国および韓国の伝統薬処方の構成生薬・配合比に関する情報を収集して整理し、植物薬や生薬製剤の国際標準化における日本の政策形成に有用なデータベースを作成することを目的とする。
研究方法
国内漢方診療施設である富山大学・千葉大学附属病院和漢診療科・麻生飯塚病院漢方診療科・北里研究所東洋医学総合研究所・近畿大学東洋医学研究所で使用される漢方処方、国内漢方エキス製剤、さらに中国の中医学処方、韓国の韓医学処方の構成生薬・配合比に関する情報を収集して比較・分析し、日本及び中国、韓国における生薬とその基原植物、及び生薬を用いた伝統医療の処方とその構成生薬、配合比に関するデータベースを作成する。
結果と考察
富山大学和漢医薬学総合研究所附属民族薬物資料館の民族薬物データベースより、本邦内で用いられている生薬(局方・局方外)とその基源植物についての情報を収集し、富山大学附属病院和漢診療科・千葉大学附属病院和漢診療科・麻生飯塚病院漢方診療科・北里研究所東洋医学総合研究所・近畿大学東洋医学研究所において実際の臨床に用いられている漢方処方の構成生薬とその配合比、及び医療用漢方エキス製剤の構成生薬とその配合比についての情報を収集した。韓国の慶熈大学韓医学大学付属韓方病院、及び中国の長春中医薬大学付属病院より本邦と同一生薬名の基原植物、及び同一処方名の構成生薬とその配合比についての情報を収集した。これを基にデータベースを作成している。
結論
日本及び中国、韓国において同一名で流通する生薬の基原植物、あるいは処方の構成生薬・配合比には異なるものがみられることから、本データベースの作成は、植物薬や生薬製剤の国際標準化における日本の政策形成に寄与するものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031031Z