東アジア伝統医学の有効性・安全性・経済性のシステマティック・レビュー

文献情報

文献番号
201031027A
報告書区分
総括
研究課題名
東アジア伝統医学の有効性・安全性・経済性のシステマティック・レビュー
課題番号
H22-医療・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科・医薬政策学)
研究分担者(所属機関)
  • 新井 一郎(東邦大学・薬学部・薬物治療学)
  • 川喜田 健司(明治国際医療大学・生理学ユニット)
  • 合田 幸広(厚生労働省・国立医薬品食品衛生研究所・生薬部)
  • 鶴岡 浩樹(自治医科大学・地域医療学センター・地域医療学部門)
  • 藤井 亮輔(筑波技術大学・保健科学部・保健学科・鍼灸学)
  • 元雄 良治(金沢医科大学・医学部・腫瘍内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東アジアの伝統医学において、有効性・安全性・経済性のシステマティック・レビューを行い、のエビデンスのグレードを明らかにし、構造化抄録(structured abstract: SA)を作成し、それらに容易にアクセスできる統合データベースを構築する。
研究方法
エビデンスを評価のための教育プログラムを開発し評価者の教育を実施し、それぞれの分野でシステマティックな検索を行い、共通フォーム案をもとに、SAを作成する。
結果と考察
有効性領域:漢方製剤分野では、日本東洋医学会EBM特別委員会の「漢方治療エビデンスレポート 2010 -345のRCT-」、同英語版が公開されている。The Cochrane Library (CENTRAL)への収載と統合データベースとの調整を行った。文献検索の方法論と今後の英文論文での記載のあり方を提言し、診療ガイドラインに含まれる漢方製剤についてエビデンスの面から分析した。鍼灸分野では、医中誌Web、CENTRAL、その他の検索と選択により425件のRCT論文が得られた。雑誌を絞りSA作成を開始した。クロスオーバ―法ではRCTではないものが存在する。あん摩マッサージ指圧(あマ指)分野では、医中誌Web検索と選択により21件のRCTが得られ、質評価とともにSA作成を開始した。韓医学分野では、大韓韓医学会EBM特別委員会により、韓薬・鍼灸分野の約170件のRCTが選ばれ、共通フォーム案が開発されハングルでSAを作成中。英語のパイロット翻訳が開始された。経済性領域:医学中央雑誌やハンドサーチにより漢方薬の経済評価の論文42編を得、National Health Service - Economic Evaluation Database (NHS-EED) の改定フォームに基づいた予備的モデルSAを作成した。東アジア伝統薬の分類:WHO ICTM (International Classification of Traditional Medicine) が2010.5から正式にスタートし、herbal interventionが含まれる。これに日本側の一員として参加するとともに、漢方・生薬の日本における分類とコード化の歴史と現状の調査、国際分類のためのモデル案の開発を行った。
結論
有効性分野で、教育と検索のステップを踏み、SA作成の条件を整え、SA作成を開始した。経済性領域でも論文を同定しSAの作成を開始した。東アジア伝統薬の分類とコードの予備的開発に関しては、WHO-ICTMに参加して分類とコード化を開始するとともに、日本の伝統薬の分類の歴史と現状をまとめた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031027Z