歯科医療における情報提供の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201031025A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医療における情報提供の在り方に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
赤川 安正(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 功(新潟大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 阿部 智(神奈川歯科大学)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 阿部 泰彦(広島大学 病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ボーダレスでリアルタイムな情報提供と物流のグローバル化の現代社会にあって,安全で安心な歯科医療の提供は緊急課題であり,これは歯科医療従事者の責務である。その第1歩は,患者・国民に対して歯科医療に関する情報の適切な提供である。本研究では,患者・国民に歯科医療に関する適切な情報をわかりやすい形で提供することで,患者・国民が安全で安心な歯科治療の十分な理解と選択が行えるよう,また,歯科医師が責任をもって歯科医療を実施できるよう,歯科医療における情報提供の在り方について検討し,具体的な指針を作成して提言することを目指す。
研究方法
県市医療安全支援センター,県歯科医師会,大学病院歯科における患者相談事例の現状を把握するために,2県市医療安全支援センター,2県歯科医師会,2大学病院における平成21年度の歯科医療に関する患者相談事例について分析した。次に,患者の情報提供に対する意識調査のためのアンケートを作成,患者1,000名を対象としたネット調査を実施し,分析した。
結果と考察
県市医療安全支援センター,県歯科医師会,大学病院歯科での患者相談事例353件について調査・分析した。その結果,患者は,(1)症状・病状・術後経過についてのわかりやすい説明,(2)治療方法のわかりやすい説明とその選択方法,(3)治療方法とその費用の妥当性,(4)説明の時期と理解できる情報量,(5)歯科医師やコデンタルスタッフとの十分なコミュニケーションなどについて期待していることが明らかとなった。次に,この結果を基に,患者の情報提供に対する意識調査のためのアンケートを作成,患者1,000名を対象としたネット調査を実施し,有効回答者971名(20代195名,30代192名,40代191名,50代205名,60代188名)を対象に分析を行った。その結果,コミュニケーションに関して満足と回答した人は70%以上と高率であり,94.1%の人が同じ歯科医院に通院していた。また,公的機関への相談経験を有する人は全体の4.6%で,男性が女性に比べて,また,若い世代ほど有意に相談経験があったとの結果を得た。
結論
歯科医療における情報提供の在り方に関する指針を作成するには,歯科医師や患者にとっての情報の内容,情報の選択,情報の理解・認知などの点につてさらに把握することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-04-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031025Z