日本版EHRを目指した地域連携電子化クリティカルパスにおける共通形式と疾患別項目の標準化に向けた研究

文献情報

文献番号
201031024A
報告書区分
総括
研究課題名
日本版EHRを目指した地域連携電子化クリティカルパスにおける共通形式と疾患別項目の標準化に向けた研究
課題番号
H22-医療・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
田中 博(東京医科歯科大学 大学院生命情報科学教育部・疾患生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院・医療情報学)
  • 岡田 美保子(川崎医療福祉大学・医療情報学)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環・医療情報学)
  • 秋山 昌範(東京大学・政策ビジョン研究センター・医療情報)
  • 中谷 純(東京医科歯科大学・医療情報学)
  • 宮本 正喜(兵庫医科大学医学部・医療情報学)
  • 原 量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター・医療情報学)
  • 吉田 純(医療法人医仁会さくら病院)
  • 武藤 正樹(国際医療福祉大学大学院・病院管理学)
  • 辰巳 治之(札幌医科大学大学院・生体情報形態学)
  • 岡本 悦司(国立保健医療科学院・医療経済学)
  • 永田 宏(長浜バイオ大学 コンピュータバイオサイエンス学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各地域の地域医療連携が、それぞれ独自の診療健康情報連携形式を採用するのではなく、それらが全国連携できて、より日本版EHRへと収斂していけるための、連携情報の標準形式の確立を目指す。
研究方法
連携診療情報の標準化を目指して、(1)連携パス電子化共通規格分科会において、連携情報の情報標準形式を世界的に共通な形式の観点から決定し、(2)疾患別連携パス分科会において、疾患別の標準連携項目のセットを検討した。
結果と考察
連携パス電子化共通規格分科会では、地域連携電子化クリティカルパスにおける連携診療情報の標準形式としてHL7 CDAR2を臨床文書に特化させた、CCD(Continuity of Care Document)形式を基礎に地域医療連携情報を標準化することを提案し、糖尿病の地域連携を対象として、糖尿病協会の「糖尿病連携手帳」に記載されている連携項目の電子化を試みた。地域医療連携分科会では、(1)糖尿病地域連携医療の標準連携項目に関して糖尿病情報学会と共同で2回のシンポジウムを開き、8大項目をミニマムデータセットとする方向でまとまりつつある。(2)中核病院と診療所の間の循環型の地域医療連携で問題となる、診療所の検査情報の電子化入力の手間の解消を目指して、臨床検査会社から直接に地域医療連携サーバへの電子化検査情報伝送についての標準形式を検査会社8社と協議を重ね、標準方式を決定した。(3)医療連携を拡張して、医療と介護の連携の標準方式の確立を目指して、脳卒中について維持期との連携の方式を検討し、愛知県豊明市での「いきいき笑顔ネットワーク」で情報連携システムを開発した。(4)昨年から開始されたがんの連携パスについての標準形式の探求、(5)地域医療連携のインフラとしてのVPN‐IKE方式について実証実験を行なってその長所欠点を検討した。(6)地域医療情報連携を巡る国内、米国、欧州などの動向を調査した。
結論
社会的成果として、平成18年度の医療制度改革関連法で打ち出された地域完結型の医療を実現させ、崩壊しつつある地域医療を地域連携電子化クリティカルパスの下、医療資源を有効に活用することで再生し、地域における健康医療問題を解決に寄与することが期待される。また平成19年に施行された改正医療法による4疾病5事業ごとの医療連携体制構築と、平成20年の診療報酬改定で評価されることとなった脳卒中地域連携クリティカルパスと、今後、追加されることが予想される糖尿病地域連携クリティカルパスをITから支えることとなる。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031024Z