歯科医療を取り巻く業務形態のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201031013A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医療を取り巻く業務形態のあり方に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-014
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 隆(昭和大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三浦 宏之(東京医科歯科大学 歯学部 )
  • 二川 浩樹(広島大学 歯学部)
  • 末瀬 一彦(大阪歯科大学 歯学部)
  • 堀田 康弘(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今日の歯科保険医療の中で、その治療技術の一端を担っているはずの歯科技工士を取り巻く環境の変化はあまりにも大きい。従来ハンドメイドによる修復物や補綴物が、歯科用CAD/CAMシステムによる省力化や、材料の進歩による直接修復の増加、さらには、予防中心の診療形態など、これまでの業務形態から変化を求められている。そこで本研究では、歯科だけにとらわれず、他業種で同様の課題を抱えつつも改善が図れたケースや、諸外国の先進的な事例等を参考としつつ、今後の歯科保健医療の変化、さらには社会の変化に対応した、将来における歯科技工業務形態のあり方に関してモデル的ケースを提示することを目的とする。
研究方法
前年度の研究を受け、現在行われている歯科技工業務の最適化に向けた作業工程をデザインするため、最適化されるべき技工業務のリストアップと、最適化された作業工程の一覧を作製する。また、インプラントやCAD/CAMなど新しく技工業務として取り組むべき項目のリストアップと、各技工士学校での取り組みを集計し、最適化された作業工程とともに、これからの歯科技工士が知らなければならない項目を盛り込んだ、教育カリキュラムのベースを作成する。
結果と考察
本研究では、現在の歯科技工業務が抱える様々な問題点や、同様の問題を抱えてきた日本の製造業における改善への取り組みについて収集・分析し、それに対する対応策について検討してきた。その結果、技工業務の効率化や最新技術の活用・一般化に向けた改善策をまとめ、市民公開講座にて提示してきた。特に、新規技術に対する対応策としては、実際の技工士教育の中でカリキュラム作成とその実践を始めている。
結論
 本研究では本年2月に市民公開講座を開催し、研究代表者ならびに各分担研究者がこれまでの研究内容を基に発表を行った。また、昨年11月にはCAD/CAMシステムを実際の技工業務の中で活用するための講習会も開催しており、今後の技工業務の中でこうした技術が一般化することで機器や材料のコストダウンが期待でき、より利用しやすいものとなると考えられる。こうした研究結果は、今後、分担研究者が所属する大学でも技工士教育の中でカリキュラムとして取り入れられ、次の世代を担う若者たちがより効率化された環境を構築でき、超高齢社会における国民の長寿健康に貢献しうると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201031013B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科医療を取り巻く業務形態のあり方に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-014
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 隆(昭和大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三浦 宏之(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 二川 浩樹(広島大学 歯学部)
  • 末瀬 一彦(大阪歯科大学 歯学部)
  • 堀田 康弘(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我が国は世界で未曾有の超高齢社会に突入しつつあるが、国民の長寿健康のためには顎口腔機能の維持が重要で、歯科医療の果たす役割が益々大きくなっている。顎口腔機能のリハビリテーションのために利用される義歯等の装置は、歯科医療の担い手である専門職の歯科技工士が製作を担当している。しかし、現在日本の多くの製造業が国際競争や不況の長期化により疲弊しているように、歯科技工業界も疲弊し、このままでは良質な歯科医療サービス、ひいては国民の健康福祉にも悪影響を及ぼす懸念がある。そこで本研究では、歯科医療の担い手である歯科技工士の業務について、超高齢社会で貢献できるように、とりわけ若い技工士に希望を与えられる業務形態を模索し、提言して行くことを目的とする。
研究方法
 前年度の研究を受け、現在行われている歯科技工業務の最適化に向けた作業工程をデザインするため、最適化されるべき技工業務のリストアップと、最適化された作業工程の一覧を作製する。また、インプラントやCAD/CAMなど新しく技工業務として取り組むべき項目のリストアップと、各技工士学校での取り組みを集計し、最適化された作業工程とともに、これからの歯科技工士が知らなければならない項目を盛り込んだ、教育カリキュラムのベースを作成する。
結果と考察
 本研究では、現在の歯科技工業務が抱える様々な問題点や、同様の問題を抱えてきた日本の製造業における改善への取り組みについて収集・分析し、それに対する対応策について検討してきた。その結果、技工業務の効率化や最新技術の活用・一般化に向けた改善策をまとめ、市民公開講座にて提示してきた。特に、新規技術に対する対応策としては、実際の技工士教育の中でカリキュラム作成とその実践を始めている。
結論
 本研究では本年2月に市民公開講座を開催し、研究代表者ならびに各分担研究者がこれまでの研究内容を基に発表を行った。また、昨年11月にはCAD/CAMシステムを実際の技工業務の中で活用するための講習会も開催しており、今後の技工業務の中でこうした技術が一般化することで機器や材料のコストダウンが期待でき、より利用しやすいものとなると考えられる。こうした研究結果は、今後、分担研究者が所属する大学でも技工士教育の中でカリキュラムとして取り入れられ、次の世代を担う若者たちがより効率化された環境を構築でき、超高齢社会における国民の長寿健康に貢献しうると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201031013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では歯科を取り巻く業務形態の中で、国民の長寿健康に貢献するために必要不可欠な技工業務に焦点を当てた調査ならびに検討を行ってきた。その結果、CAD/CAM技術を活用するための知識や、再生医療分野などにおける技工士の関わり方等を盛り込んだカリキュラムを作成し、実践する試みを始めた。また、一般工業界で実践されてきた業務の効率化に関する手法についても、広く公開して行き、これからの技工業務を担ってゆく若い世代の育成につながると考えられる。
臨床的観点からの成果
日本の歯科技工所のなかでも一定の就業歯科技工士を配し、法人化されている代表的な歯科技工所56社で構成されている日本歯科技工所協会に対して、就業環境に対するアンケート調査を実施し、こうした事業所では歯科技工士の就業環境が他職種と比較して特に劣悪であるとはいいがたいことが分かった。しかし、近年増加傾向にある1人開業歯科技工所では、経営、営業、技工作業などを1人あるいは家内工業的に行われているため、CAD/CAMを始めとしたデジタル化により、更なる効率化が必要であった。
ガイドライン等の開発
本研究で提案しているCAD/CAMシステムの利用に関するガイドラインの一つとして、本研究における代表者らが中心となり、日本歯科医学会の平成20年度採択プロジェクト研究としてまとめたものがある。代表者らは、このガイドラインを元に、全国歯科技工士教育協議会の歯科技工士実習施設指導者等養成講習会にて、歯科CAD/CAMシステムの基礎と応用に関する指導を行ってきた。
その他行政的観点からの成果
特記なし
その他のインパクト
本研究で得られた結果については、平成23年2月20日に開催された市民公開講座(鶴見大学)において、研究代表者ならびに各分担研究者がこれまでの研究内容を基にした発表を行い、現場で働く方々との意見交換も行った。
本研究分担者の二川は、平成23年2月26日付の朝日新聞にて、抗菌剤「Etak」の開発者として紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
4件
歯冠修復物作製に利用されるキャドキャムシステムの現状と将来.日補綴会誌 2011; 3:1-11,他
原著論文(英文等)
4件
Impact of titanium ions on osteoblast-, osteoclast- and gingival epithelial-like cells. J Prosth Res
その他論文(和文)
5件
歯科技工士教育の高度化 その先にあるもの.日本歯技 2011; 499: 41-48,他
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
5件
歯科技工カリキュラムと口腔工学カリキュラム.日歯教誌 2010; 26: 15-17,他
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
市民公開シンポジウム 歯科医療を取り巻く業務形態のあり方-歯科医療へのチタンの普及と新技術-.第24 回歯科チタン学会学術講演会,2011 年2 月20 日,鶴見大学

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2018-06-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031013Z