文献情報
文献番号
201031001A
報告書区分
総括
研究課題名
エンドオブライフを支える在宅医療の基盤とその多様性を包括的に評価する地域診断手法の開発
課題番号
H21-医療・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
高野 健人(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
1,525,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療・介護サービス需要の増大が予想される中、高齢者とその家族が安心して医療と介護、生活支援を受け、充実したエンドオブライフ生活を送るためのサービス提供体制と人的資源・物的支援の計画的整備が検討されている。本研究の目的は、エンドオブライフを地域で支えるための、在宅医療・地域介護・生活支援の資源と機能の実状を把握し、地域ごとに拡充が必要なシステムの要件を提示することである。
研究方法
(1)2自治体の国民健康保険または介護保険の被保険者のうち、ある一年間の死亡者について、死亡前の国民健康保険および介護保険の記録より調査項目を抽出して突合し、月別、医療および介護サービスの種類別に、その受給日数と費用額を算出した。医療については入院と入院外を分け、介護については9項目に整理した。死亡場所、死亡前6か月時の居住場所、死亡時の疾病、介護度等別に、個人における受給状況の推移と、その多様性を分析した。(2)在宅医療の成立要因を評価するための指標値に関する指標値を収集し、医療および福祉・介護サービス需給内容や量との比較や、多地域での比較を行った。(3)各地域特性を示す指標と健康水準との市区町村レベルでの相互関連性を、異なる2時期で比較し、その変化の程度と、地域特性との関連性を分析した。
結果と考察
国民健康保険および介護保険被保険者における死亡前12か月のひとりあたりの医療費は、平均値302万円、介護費は、平均73万円であった。医療費および介護費は、年齢、疾病、介護度、療養場所により異なっていた。個人によるばらつきも大きかった。死亡前12か月間の月ごとの医療費は死亡直前の1か月が最大で、介護は月ごとの費用に大きな差がなかった。また、各地域特性を示す指標と健康水準との市区町村レベルでの相互関連性の指標は、1990年と2005年で変化を認め、その程度は人口密度により異なっていた。
結論
エンドオブライフを、死亡前の一定期間と定義し、国民健康保険および介護保険データを突合し分析することで、エンドオブライフの医療および福祉・介護サービスの利用の現状が示された。さらに、地域の保健医療統計と組み合わせることで、医療および福祉・介護サービス需給内容や量との比較や、多地域での比較が可能であった。また、指標の影響は地域の特性や時期により変動することも明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
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