肝炎による肝未分化細胞の発生とその発癌への影響に関する研究

文献情報

文献番号
201030045A
報告書区分
総括
研究課題名
肝炎による肝未分化細胞の発生とその発癌への影響に関する研究
課題番号
H22-肝炎・若手-014
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 淳史(九州大学 生体防御医学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
慢性的な肝臓の炎症状態に応答して門脈周囲に出現する卵形細胞(オーバル細胞)は、肝臓の組織幹細胞(肝幹細胞)の特性を有する特殊な細胞である。これまで、慢性肝炎が肝硬変を経て肝癌へと進行する理由はよくわかっていないが、変異したオーバル細胞が腫瘍形成能を獲得することこそ、慢性肝炎が肝癌へと進行するための主要因である可能性が考えられる。そこで本研究では、肝臓の炎症時におけるオーバル細胞の発生機構、及び、オーバル細胞の機能異常の根幹にある分子機構を明らかにし、オーバル細胞を起点とした腫瘍形成メカニズムの解明を試みる。
研究方法
これまでの研究で、我々は、オーバル細胞を肝臓から特異的に分離する技術とそのクローナルな解析系を開発している。そこで本研究では、この独自に開発した解析系と遺伝子改変マウスを用いた生体内の解析系を組み合わせることで、オーバル細胞の機能解析を進める。
結果と考察
これまでの研究の結果、細胞の機能制御を担う細胞内シグナル伝達経路のひとつが活性化することによってオーバル細胞の発生が促進され、障害時におけるオーバル細胞の数が劇的に増加することが判明した。これにより、オーバル細胞の発生や機能異常において、同定した細胞内シグナル伝達経路の活性化が関与することが強く示唆された。
結論
オーバル細胞の発生を制御する細胞内シグナル伝達経路のひとつを明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201030045Z