文献情報
文献番号
201030042A
報告書区分
総括
研究課題名
リツキシマブ+ステロイド併用悪性リンパ腫治療中のB型肝炎ウイルス再活性化への対策に関する研究
課題番号
H20-肝炎・若手-014
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
楠本 茂(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 腫瘍・免疫内科学)
研究分担者(所属機関)
- 上田 龍三(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科)
- 溝上 雅史(独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
- 小椋 美知則(名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科)
- 木下 朝博(名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学)
- 鈴木 律朗(名古屋大学医学部 造血細胞移植情報管理学)
- 鈴木 孝世(滋賀県立成人病センター 血液・腫瘍内科/化学療法部)
- 渡辺 隆(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科・造血幹細胞移植科)
- 田中 靖人(公立大学法人名古屋市立大学大学院医学研究科 病態医科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
14,637,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HBV-DNAモニタリングによる多施設共同前方視的研究では、HBs抗原陰性ハイリスク群悪性リンパ腫に対するリツキシマブ+ステロイド併用化学療法治療中のHBV再活性化の頻度を明らかにすることおよびHBV-DNAを早期に検出し抗ウイルス薬を投与する対策法(”preemptive therapy”)を確立するためのデータを集積する。
研究方法
<対象>
未治療CD20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者のうち、リツキシマブ+ステロイド併用全身化学療法(R-CHOP、R-CVP、R-THP-COP、R-C-MOPP 6-8コースのいずれか)を施行するHBs抗原陰性HBV再活性化ハイリスク群(HBc抗体陽性あるいはHBs抗体陽性、両者とも陽性を含む)
<方法>
悪性リンパ腫治療中および治療後、月1回の頻度でHBV-DNA定量検査(研究費負担)を行い、登録後1.5年間までプロスペクティブにモニタリングする(HBV-DNAモニタリング)。HBV再活性化(HBV-DNA陽性化)が認められた場合には、慢性B型肝炎として治療介入を行うことを強く推奨する。
主要評価項目はHBV再活性化割合、目標症例数321例
未治療CD20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者のうち、リツキシマブ+ステロイド併用全身化学療法(R-CHOP、R-CVP、R-THP-COP、R-C-MOPP 6-8コースのいずれか)を施行するHBs抗原陰性HBV再活性化ハイリスク群(HBc抗体陽性あるいはHBs抗体陽性、両者とも陽性を含む)
<方法>
悪性リンパ腫治療中および治療後、月1回の頻度でHBV-DNA定量検査(研究費負担)を行い、登録後1.5年間までプロスペクティブにモニタリングする(HBV-DNAモニタリング)。HBV再活性化(HBV-DNA陽性化)が認められた場合には、慢性B型肝炎として治療介入を行うことを強く推奨する。
主要評価項目はHBV再活性化割合、目標症例数321例
結果と考察
<結果>
平成20年8月11日より症例登録を開始、平成23年4月15日時点(約2年8ヶ月経過)で、参加予定68施設中68施設でIRB承認を得て、合計249例の症例登録を得ている。また、これまでに18例のHBV再活性化例を認めているが、いずれも肝障害・肝炎の発症を認めていない時点でHBV-DNAの上昇を検出し、抗ウイルス薬によるpreemptive therapyが開始されている。また、保存検体を用いた付随研究において、HBV遺伝子変異によって症例ごとにHBV増幅の違いを認め、増幅亢進例においても月1回のHBV-DNAモニタリングは有用であった。
平成20年8月11日より症例登録を開始、平成23年4月15日時点(約2年8ヶ月経過)で、参加予定68施設中68施設でIRB承認を得て、合計249例の症例登録を得ている。また、これまでに18例のHBV再活性化例を認めているが、いずれも肝障害・肝炎の発症を認めていない時点でHBV-DNAの上昇を検出し、抗ウイルス薬によるpreemptive therapyが開始されている。また、保存検体を用いた付随研究において、HBV遺伝子変異によって症例ごとにHBV増幅の違いを認め、増幅亢進例においても月1回のHBV-DNAモニタリングは有用であった。
結論
以上より、本臨床試験は比較的順調に進捗しており、これまでの結果では、HBV再活性化ハイリスク群であるリツキシマブ+ステロイド併用例に対し、本試験のHBV-DNAモニタリングによるpreemptive therapyで対策を講じることが可能であった。
公開日・更新日
公開日
2011-06-02
更新日
-