文献情報
文献番号
201030037A
報告書区分
総括
研究課題名
ウイルス性肝炎に対する治療ワクチンの開発に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-肝炎・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小原 道法(財団法人東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
- 瀬谷 司(北海道大学大学院・先端生命科学研究院)
- 鈴木 亮介(国立感染症研究所ウイルス第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
43,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
C型肝炎ウイルス(HCV)感染者に対する治療は副作用等の問題も大きく、またB型肝炎ウイルス(HBV)は現在用いられている核酸アナログ製剤では根治が困難である。他方で、HCVは感染者の多くが慢性化してしまうが、20%は慢性化せずウイルスを排除する。また、HBVに関しては、慢性化した成人において増悪化を契機に自己の免疫により排除する例が知られている。これらのことは、免疫を賦活化することによりウイルスのコントロールができる可能性を示唆しており、HCV及びHBV特異的免疫賦活化による根治を目指した治療的ワクチンの開発を目的とした。
研究方法
HCV遺伝子発現DNAワクチン及び組換えワクチニアワクチンHCVN25-rVV を慢性肝炎状態のHCV/Cre-Tgマウスに接種し解析を行った。また、マウス肝細胞にHCVの複製を許容させるために、HCV受容体を導入したマウス肝細胞株を樹立した。HCVトランスパッケージングシステムで作製した遺伝子型1bキメラウイルス及びHuH7細胞を用いた中和抗体測定系を確立した。
結果と考察
慢性肝炎状態のHCV-Tgマウスに組換えワクチンHCVN25-rVVを単回皮内接種し、肝臓において壊死性細胞浸潤、肝細胞索の乱れ、グリコーゲン変性および脂肪変性といった慢性肝炎の病態の正常化が認められた。HCV蛋白発現腫瘍細胞移植マウスモデルを用いたin vivoにおけるHCV特異的細胞性免疫誘導能についての評価を行ったところ、HCV-DNAワクチン投与群で有意に減少し、強い細胞性免疫が誘導されていることが認められた。HCV受容体を導入したマウス肝細胞株はJ6-HCVに感受性となり、HCVのマウス感染系がin vitro で組めるようになった。複数の遺伝子型/株の遺伝子配列を用い、HCVのcoreからNS2領域を発現する非増殖型HCV粒子(HCVtcp)を得た。HCVtcpは抗CD81抗体により高い感受性を示した。
結論
C型肝炎ウイルス遺伝子組換えワクチン及びDNAワクチンで効果が認められたので、さらに、細胞内免疫活性化剤や構築したHCV-DNAワクチンを併用することで治療効果増強法の検討、抗体価の測定や細胞性免疫応答の解析を行う。また、最も効果的なワクチン免疫法を選択し、HCV感染ヒト肝臓型キメラマウスでの治療効果と安全性を検討する。
公開日・更新日
公開日
2011-06-07
更新日
-