肝炎ウイルス感染における自然免疫応答の解析と新たな治療標的の探索に関する研究

文献情報

文献番号
201030036A
報告書区分
総括
研究課題名
肝炎ウイルス感染における自然免疫応答の解析と新たな治療標的の探索に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-肝炎・一般-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
松浦 善治(大阪大学 微生物病研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 考藤 達哉(大阪大学  医学研究科)
  • 竹内 理(大阪大学 微生物病研究所)
  • 藤田 尚志(京都大学 ウイルス研究所)
  • 池田 正徳(岡山大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 土方 誠(京都大学 ウイルス研究所)
  • 小原 道法(東京都臨床研)
  • 瀬谷 司(北海道大学 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
49,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
C型肝炎ウイルス(HCV)による自然免疫や獲得免疫の回避機構を解析し、これらの成果を新しい治療法の開発に資することを目的とする。
研究方法
1)HCV複製細胞に優位に発現しているCD44vをFACSで解析した。2) IDOの活性をC型慢性肝炎患者の血清で定量した。3) RIG-IのATPase活性を欠失させたノックインマウスを作製しその性状を解析した。4) ウイルスに対する自然免疫応答を制御している蛋白質群の細胞内局在を解析した。5) 完全長のHCV RNAアッセイ系 を用いて、IFN-λに対する感受性を検討した。6) 不死化肝細胞の自然免疫関連遺伝子の発現を抑制してウイルス感受性を検討した。7) polyI:Cとカチオニックリポソームの複合体をキメラマウスに投与してIFNの誘導を解析した。8) 自然免疫関連遺伝子を欠損させたマウスからポリオの複製を許容する不死化細胞株の樹立を試みた。
結果と考察
1) 慢性C型肝炎の発症にヒアルロン酸とCD44の相互作用が示唆された。2) C型肝炎患者のミエロイド樹状細胞でのIDOの活性が高値であった。3) RIG-IのATPase活性はRNAウイルス感染に対する免疫応答には必須ではないことが示された。4)ウイルス感染によってミトコンドリア上のIPS-1が凝集体を形成するのにMitofusin1 が必須であることが示された。5)ヒト初代肝細胞では感染初期にIRF7依存的なIFNαの一過性発現誘導されることが示された。6)ヒト肝細胞株のLi23は治療感受性型のSNPを持ち、抵抗性のHuH-7で複製するHCV RNAよりもIFNλの感受性が100倍高かった。7) polyICリポソーム製剤はIFNλを介して強力な抗ウイルス活性を示した。8) ポリオウイルスに抵抗性マウスからTICAM-1を欠損させるとIFNの発現が低下し感染死した。
結論
C型慢性肝炎患者ではヒアルロン酸とCD44の相互作用がIP-10の発現制御に、また、肝細胞やDCにIDOが発現して免疫制御が誘導されることが示された。RIG-IのATPase活性は獲得免疫応答には不要であり、IPS-1 が凝集体を形成することがシグナル伝達に必要であることが明らかとなった。IL28βのSNPとIFNλの感受性の相関が認められた。polyIC/リポソーム製剤はIFNλを介して強力な抗ウイルス活性を示した。ポリオウイルスの感染防御にRIG-I/IPS-1経路だけでなくTRL3経路の重要性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2011-06-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201030036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
64,480,000円
(2)補助金確定額
64,480,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 人件費 0円
諸謝金 0円
旅費 396,150円
調査研究費 37,900,711円
委託研究費 11,303,139円
間接経費 14,880,000円
合計 64,480,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2017-01-20
更新日
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