文献情報
文献番号
201030024A
報告書区分
総括
研究課題名
B型肝炎の母子感染および水平感染の把握とワクチン戦略の再構築に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-肝炎・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森島 恒雄(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 脇田 隆字(国立感染症研究所)
- 森内 浩幸(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 工藤 豊一郎(筑波大学 臨床医学系)
- 茶山 一彰(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 泉 並木(武蔵野赤十字病院)
- 木村 宏(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 古谷野 伸(旭川医科大学)
- 田尻 仁(大阪府立急性期総合医療センター)
- 田中 英夫(愛知県がんセンター研究所)
- 藤澤 知雄(済生会横浜市東部病院)
- 石井 勉(国立病院機構 福島病院)
- 乾 あやの(済生会横浜市東部病院)
- 内田 茂治(日本赤十字社 血液事業本部中央血液研究所)
- 三鴨 廣繁(愛知医科大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
24,360,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
(1)HBV母子感染予防の現状を明らかにし、多くの国が導入しているuniversal vaccination(UV)の導入を検討する。
(2)小児のHBV水平感染の現状を調べ、その対策を立てる。
(3)今後のわが国におけるHBVの侵淫度を推計し、UVの意義(費用対効果を含め)を明らかにする。
(2)小児のHBV水平感染の現状を調べ、その対策を立てる。
(3)今後のわが国におけるHBVの侵淫度を推計し、UVの意義(費用対効果を含め)を明らかにする。
研究方法
(1)HBV母子感染及び水平感染の網羅的全国アンケート調査を開始し、現行予防処置による不成功例などを調査した。同時に父子感染を含む家族内感染や施設内感染の現状を検討した。(2)HBVキャリアの尿・唾液・涙中のHBVDNAを測定した。(3)HBVワクチン早期接種による母子感染防止効果を長期的に観察した。(4)UVを導入した場合のB型慢性肝疾患予防効果推定モデルの確立を目指した。
結果と考察
(1)全国アンケート:母子感染予防処置は、2473例に実施され、48時間以内にHBIGが投与されていない症例は2.6%あった。その後のHBワクチン規定外接種も145例あり、予防処置の徹底が不十分であることが確認された。44例(2.2%)にHBs抗原の陽転化が確認された。(2)父子感染など母子感染以外の感染経路の重要性が改めて明らかになった。また、HBVキャリアの尿・唾液・涙から高濃度のHBVDNAが検出され、感染性も有しており、水平感染の重要な感染源となりうる。(3)健康新生児への早期予防接種方法で良好な抗体上昇と持続を認めた。(4) UVを日本に導入することで、現行の予防処置に比べて、将来どれだけのB型慢性肝炎・肝硬変および肝細胞癌の発生(死亡)を多く抑えられるかを推定するためのマルコフモデルの開発した。
結論
今回の網羅的母子感染全国調査でほぼHBV母子感染の現状が明らかになった。HBIGの時間内接種ができていない症例やその後のHBワクチンが既定どおりできていない症例は全体の8.1%と多かった。父子感染、その他の家族内感染、施設内などの水平感染も重要と考えられた。HBワクチンの新生児期からの早期接種法は、抗体価の持続は良好であった。対策として、まずHBIGとHBワクチンの確実な実施が重要で、将来的にはHBワクチンのUVを検討する時期に来ていると考えられる。今後、UVの効果についてB型慢性肝疾患予防効果推定モデルを用いた疫学的な解析が重要になる。
公開日・更新日
公開日
2011-06-06
更新日
-