GISを応用した感染症防御対策の試みに関する研究

文献情報

文献番号
199700852A
報告書区分
総括
研究課題名
GISを応用した感染症防御対策の試みに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
川端 眞人(神戸大学医学部附属医学研究国際交流センター)
研究分担者(所属機関)
  • 堀田博(神戸大学医学部微生物学教室)
  • 鎌江伊三夫(神戸大学都市安全研究センター)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
平成10(1998)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肝吸虫症の感染成立の要因には、水系域の季節変動、巻貝や淡水魚の分布と密度、ホスト側の生活習慣や居住環境、さらに流通機構やヒトの移動などの地理的空間因子がある。本研究の目的はGISを応用した解析から、肝吸虫の伝播動態を解明し感染危険地域を特足することにより、限られた医療資源を有効に活用し、より継続性のある肝吸虫症対策を目指す。肝吸虫症は有病率の高さと放置すると胆管癌になる危険性、対策法の困難さから東北タイでは緊急を要する感染症で、さらに自然環境変容に伴う流行域の拡大傾向から新興・再興感染症として注目され、わが国でも輸入感染症として懸念されている。
研究方法
タイ村落基礎データベースを入力し、肝吸虫感染と相関が深い、胆管癌、肝硬変の頻度分布をGIS上で連続曲面を描画する。この連続曲面と水系地図を重ね合せ(オーバーレイ)して、肝吸虫の伝播密度が高い水系を推定する。推定成績と比較するため、肝吸虫の伝播密度を無作為抽出にて現地調査し、同手法の有効性と課題を検討して、新しい肝吸虫症の対策法を構築する。本方法論をマラリアなど他の昆虫媒介感染症に応用を試みる
結果と考察
GIS(地理情報システム)については、申請者が所属する神戸大学医学研究国際交流センターにハードおよびソフトを設置し、運用方法を習得した。タイ国タマサート大学にタイ村落基礎データベースの構造について照会し、共同研究を計画中である。タイ国コンケン大学とは、肝吸虫に関連する媒介貝、淡水魚、肝吸虫症や胆管癌流行の既存資料提供を依頼し承諾を得ている。
結論
現在、最終結論は出ていないものの、疾病分布の時間的変動が見られその原因を解析的に追求していく予定である。今後は、タイ肝吸虫症にかかわるタイ側の資料を収集、翻訳するなどし、データの充実をはかる必要がある。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)