HIV・HCV重複感染血友病患者の長期療養に関する患者参加型研究

文献情報

文献番号
201029032A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV・HCV重複感染血友病患者の長期療養に関する患者参加型研究
課題番号
H22-エイズ・指定-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山下 俊一(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 白阪 琢磨(国立病院機構大阪医療センターHIV/AID先端医療開発センター)
  • 宮崎 泰司(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 中尾 一彦(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター臨床センター)
  • 兼松 隆之(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 秋田 定伯(長崎大学 形成外科学)
  • 澄川 耕二(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 大津留 晶(長崎大学 国際ヒバクシャ医療センター)
  • 田中 純子(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 柿沼 章子(社会福祉法人はばたき福祉事業団)
  • 中根 秀之(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HIV・HCV重複感染血友病患者における長期療養課題を患者参加型研究で明らかにする。すなわち薬害エイズ患者のQOL向上に資する社会医学的アプローチ法を開発し、医療機関から在宅ケアに至る異なる医療福祉環境の中で、人権に配慮した個々人に有効かつ包括的なケア体制構築と精神的かつ身体的負担が少ない治療法の開発を目指す。
研究方法
エイズ拠点病院等との連携を元に、薬害エイズ血友病患者については『はばたき福祉事業団』を患者側窓口とし、長崎大学病院では先行研究班と連携し対応する。短期入院患者に対する臨床データの収集管理以外に、聞き取り面談調査時などに健康情報モニタリングを行い、24時間連続記録健康基礎データを収集解析する。対象の各患者に対する個別調査と総合的な比較検証を行う。更に本研究班においてデータベースの統合化を図る。
患者参加が可能なネットワーク構築を目指し、長期療養課題の抽出と同時に予後を左右する因子の早期検出に繋がる患者データベースの構築と医師-患者間の双方向性情報シェアのプロトタイプモデルの確立にむけて円滑な運用を企画立案する。
結果と考察
郵送配布によるアンケート調査を実施すると同時に直接面談方式による聞き取り調査を行い、131名(回収率33%)より回答をうけた。また52名の個別面談調査を終了した。10年前と比較し、現在でも体調が悪化している患者が半数以上の52%を占めた。体調悪化の理由は、AIDS関連は15%のみでそれ以外の理由が85%を占めた。肝疾患18%、薬の副作用15%、血友病関節症11%であった。GHQ-12による心の健康状態では、4点以上の高得点群が48%に認められた。
平成22年11月には厚労省と患者団体の意向による協議会を催し、今後の協力連携体制構築が合意された。その結果、包括的調査研究事項の確立とデータ収集解析に関する基盤を整備し、今後の全国調査と患者実態把握へ発展させることとした。
患者本位の薬剤エイズ原状回復医療を目指して活動を開始した。類似研究の調査解析に加えて、緩和ケアホスピスの個別調査を行い、より積極的な受入施設の開拓が患者本位の立場からも必要と考えられた。
結論
重複感染血友病患者への全国アンケート調査と直接聞き取り面談調査を開始し、個別問題について適切かつ迅速に対応する必要がある。今後全対象者に直接聞き取り調査や短期入院などの現状掌握プログラムを採用し、次年度はデータベース構築に向けたプロトタイプモデルの準備を開始する。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201029032Z