沈降インフルエンザワクチンH5N1新規株による免疫原性・交叉免疫性を含めた追加接種効果に関する研究

文献情報

文献番号
201028052A
報告書区分
総括
研究課題名
沈降インフルエンザワクチンH5N1新規株による免疫原性・交叉免疫性を含めた追加接種効果に関する研究
課題番号
H22-新興・指定-021
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
庵原 俊昭(国立病院機構三重病院)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
225,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
201028052C

成果

専門的・学術的観点からの成果
青海株(クレード2.2)を用いて製造された沈降インフルエンザワクチンの免疫原性および安全性について検討を行った。初回接種後よりも追加接種後の方が高い抗体価と幅広い交叉免疫が誘導できること、交叉免疫の広さは同じ株で追加接種するよりも異なる株で追加接種する方が効果的であることを示した。新型インフルエンザ対策として、前もって免疫記憶を誘導することの重要性を示し朝日新聞(平成23年3月8日)で取り上げられた。
臨床的観点からの成果
本邦の沈降インフルエンザワクチンは、クレードの異なるいずれの株を用いても効果的な免疫記憶を誘導できるが、初回接種で誘導される抗体の交叉免疫の幅は狭いこと、追加接種により誘導された抗体は抗体価が高く幅広い交叉免疫が認められるアとを示した。新型インフルエンザ対策として、前もって免疫記憶を誘導しておき、パンデミック時にパンデミック株に近い株で追加接種すると効果的な予防効果が期待される。
ガイドライン等の開発
この研究の成果は、第13回新型インフルエンザ専門家会議(平成22年11月29日)で取り上げられ審議の参考となった。
その他行政的観点からの成果
新型インフルエンザウイルス出現時、急いで備蓄している沈降インフルエンザワクチンを社会機能維持者に接種して免疫記憶を誘導し、数か月後にパンデミック株に近い株で製造されたインフルエンザワクチンを接種すれば、幅広い交叉免疫により感染防御が期待され、社会の混乱の軽減が期待される。今後の新型インフルエンザ対策委員会において行動指針作成の基礎資料として使用する。
その他のインパクト
臨床研究であり、特許の出願が関係する研究ではない。今まで講演等で市民や実地臨床家に新型インフルエンザウイルスやインフルエンザワクチンを含めインフルエンザ対策の重要性について啓発してきたが、今回の成果を含め今後も啓発活動を展開していく予定である。

発表件数

原著論文(和文)
7件
インフルエンザに関する論文3件、インフルエンザ以外の論文4件
原著論文(英文等)
3件
インフルエンザに関する論文1件、インフルエンザ以外の論文2件
その他論文(和文)
26件
ワクチン、インフルエンザ、麻疹、ムンプス等に関する総説
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
34件
ワクチン、インフルエンザ、麻疹、ムンプス等に関する学会発表
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
新型インフルエンザ対策の資料となる
その他成果(普及・啓発活動)
1件
インフルエンザ対策の資料となる

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-23
更新日
2015-05-20

収支報告書

文献番号
201028052Z