細胞培養系を用いた新型インフルエンザワクチンの開発研究

文献情報

文献番号
201028051A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞培養系を用いた新型インフルエンザワクチンの開発研究
課題番号
H21-新興・指定-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 典生(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 奥野 良信(財団法人 阪大微生物病研究会観音寺研究所)
  • 野崎 周英(財団法人 化学及び血清療法研究所)
  • 五反田 亨(学校法人 北里研究所生物製剤研究所)
  • 大塚 浩史(デンカ生研株式会社 新潟工場ワクチン研究部)
  • 上村 謙吾(株式会社UMNファーマ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
410,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本国内での細胞培養ワクチン製造体制を確立し、新型インフルエンザ出現に際して6 ヶ月以内に国民全員への新型インフルエンザワクチン供給体制を整備することを目的とする。5年以内に組織培養ワクチン実用化を達成するため、本研究班では2年間で非臨床試験までを終了する。
研究方法
1. ウイルス増殖に用いる細胞の検討と選択
2. スケールアップ時における細胞培養及びウイルス増殖の方法・条件の検討
3. 非臨床試験の実施
4. 細胞培養ワクチン実用化に関する問題点と方針の整理
5. シードウイルス製造用MDCKセルバンクの構築
結果と考察
1. 各班員の保有するワクチン製造用細胞のうち、MDCK細胞、EB66細胞について、前年度に完了できなかった分の細胞特性試験・安全性試験を行った。その結果、特に問題はないと判断した。
2. スケールアップ時(50-600L)の細胞培養及びウイルス増殖の方法・条件を検討し、小スケールと同じ効率で培養可能な条件を特定した。この条件下でH21年度に検討したものとは別のウイルス株についても増殖性を検討したが、問題は無かった。
3. 予定した非臨床試験をほぼ終了し、目標を達成できた。
4. 開発に共通する問題点について既存のガイドライン等を踏まえて検討し、研究班の見解を「細胞培養インフルエンザワクチンの安全性に関するPoints to Consider(案)」としてまとめた。
5. ATCCから購入したMDCK細胞を無血清培地に馴化、GMP準拠条件下で培養し、シードウイルス製造用マスターセルバンク及びワーキングセルバンクを構築した。鶏卵使用を排除した細胞培養ワクチンの実用化への基盤整備が進んだ。
結論
前年度に引き続き非臨床試験を進めて、本年度で終了し、目標は達成された。本成果を踏まえて、製造施設の設計・建設並びに臨床試験実施へ速やかに移行出来る。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

文献情報

文献番号
201028051B
報告書区分
総合
研究課題名
細胞培養系を用いた新型インフルエンザワクチンの開発研究
課題番号
H21-新興・指定-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 典生(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター )
  • 奥野 良信(財団法人 阪大微生物病研究会観音寺研究所)
  • 野崎 周英(財団法人 化学及び血清療法研究所)
  • 五反田 亨(学校法人 北里研究所生物製剤研究所)
  • 大塚 浩史(デンカ生研株式会社 新潟工場ワクチン研究部)
  • 上野 謙吾(株式会社 UMNファーマ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本国内での細胞培養ワクチン製造体制を確立し、新型インフルエンザ出現に際して6 ヶ月以内に国民全員への新型インフルエンザワクチン供給体制を整備することを目的とする。5年以内に組織培養ワクチン実用化を達成するため、本研究班では2年間で非臨床試験までを終了する。
研究方法
(1)ウイルス増殖に用いる細胞の検討と選択
(2)小スケール及びスケールアップ時における細胞培養及びウイルス増殖の方法・条件の検討
(3)非臨床試験の企画・実施
(4)細胞培養ワクチン実用化に関する共通の問題点と解決方針についての整理
(5)シードウイルス製造用MDCKセルバンクの構築

結果と考察
1. ワクチン製造用細胞としてMDCK細胞(付着性)、MDCK細胞(浮遊性)、EB66細胞、expresSF+細胞、LLC-MK2細胞を検討し、MCBとEOPCの特性と安全性の解析を進め、特に問題はないと判断した。
2. 小スケール(7-45L)での細胞培養及びウイルス増殖条件を検討し、良好な増殖性を示す条件を特定した。これを基にスケールアップ時(50-600L)の細胞培養及びウイルス増殖の方法・条件を検討し、小スケールと同じ効率で培養可能な条件を特定した。さらに別のウイルス株でも増殖性を解析し、問題が無いことを確認した。
3. 非臨床試験を企画し、必要な試験を終了した。
4. 各班に共通する問題点について既存のガイドライン等を踏まえて検討し、研究班の見解を「細胞培養インフルエンザワクチンの安全性に関するPoints to Consider(案)」としてまとめた。
5. ATCCから購入したMDCK細胞を無血清培地に馴化、GMP準拠条件下で培養し、ワクチンシードウイルス製造用マスターセルバンク及びワーキングセルバンクを構築した。これによって、鶏卵を使用しない細胞培養ワクチン実用化への基盤整備が進んだ。
結論
全体として、2年間で非臨床試験を終了するとの目標は達成された。本研究成果を踏まえ、製造施設の設計・建設並びに臨床試験実施へ速やかに移行出来る。本研究成果により5年以内に国内で組織培養インフルエンザワクチンを実用化する見通しが立った。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201028051C

収支報告書

文献番号
201028051Z