情報弱者等への配慮を含めた感染症に対する適切な情報提供・リスクコミュニケーションに関する研究

文献情報

文献番号
201028048A
報告書区分
総括
研究課題名
情報弱者等への配慮を含めた感染症に対する適切な情報提供・リスクコミュニケーションに関する研究
課題番号
H22-新興・一般-016
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶応義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 濱田 篤郎(東京医科大学病院 感染制御部)
  • 竹中 伸一(財団法人結核予防会 結核研究所)
  • 高木 彩(千葉工業大学 社会システム科学部)
  • 山崎 瑞紀(武蔵工業大学 環境情報学部)
  • 早坂 信哉(浜松医科大学 医学部)
  • 金田 英子(東洋大学 国際学校保健学)
  • 福島 慎二(東京医科大学 感染制御部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
情報弱者である小児を対象とした感染症に関するリスクコミュニケーションのための媒体をゲーミングシュミレーションの手法を用いて開発し、効果について検討する。また情報提供媒体としてのHPの在り方を検討する
研究方法
心理学を中心とした分担研究者間のディスカッションにより著者らの先行研究によって開発したゲーミングを基本にし、内容は感染症や小児科専門の分担研究者間のディスカッションにより子ども向け媒体を開発した。平成22年6?10月に(株)イオンファンタジーの協力で、全国九州から北海道までの10カ所にてイベントを開催し試行し、プレーヤー(子ども)からはファシリテーターの質問文読み上げによるシール貼付方式で、保護者からは自記式質問紙、ファシリテーターからは観察法による記録によって評価した。また、情報提供媒体としてのHPについて問題点を抽出した。
結果と考察
幼児を対象とした感染症予防行動「手洗い」「うがい」の啓発を目的としたギミックを利用した媒体紙(芝居)開発に着手した。参加者が「聞く」だけでなく「動き」や「発話」を組み込ませ「参加度」をあげることにより双方向コミュニケーションを図るものである。今後、参加者からの評価、利用者(ファシリテーター)等からの評価を実施しなければならない。
小学校の児童生徒を対象とした感染症に関する情報収集及びリスクコミュニケーションのためボードゲーム(リーフレット付き)が開発された。3者からの効果評価では、プレーヤーとしての参加者は3歳以上の約400人で、またやりたい、おもしろかったが9割を超え、8割以上が手洗いをこれからするとし、疑似体験が行動変容を促すきっかけになりうると考えられた。保護者(約250人)からは、子どもに役立つ、自身の情報を得るきっかけになった(各90%以上)とされた。保護者自身への情報提供機会とも捉えられ不特定多数が参集する場での利用も重要であることが伺えた。ファシリテーターの観察では、子どもの集中度は70%以上で、保護者も50%以上が参加していた。
動物由来感染症HPを題材に情報提供内容が精査された。
結論
子どもを対象としたゲーミングシミュレーションを利用した媒体は、リスクコミュニケーションにおける情報提供媒体として利用可能であり、学校現場以外の利用場面によっては保護者への有効性も示唆された。双方向コミュニケーション媒体としてHPについて研究をすすめる。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028048Z