感染症情報国民コールセンター設置と実施に関する研究

文献情報

文献番号
201028017A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症情報国民コールセンター設置と実施に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
菅又 昌実(特定非営利活動法人 バイオメディカルサイエンス研究会(公立大学法人 首都大学東京) 国際協力部門、情報提供部門   )
研究分担者(所属機関)
  • 清水 一史(日本大学総合科学研究所)
  • 吉川 泰弘(東京大学農学生命科学研究科)
  • 太田 伸生(東京医科歯科大学)
  • 矢野 一好(北里環境科学センター)
  • 松井 岳巳(首都大学東京大学院)
  • 鈴木  哲(首都大学東京大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我が国は現在様々な新興再興感染症の脅威にさらされている。こうした脅威に対処する上で、国民誰でもが、必要な時に、いつでも、どこでも容易な手段で標準化された感染症情報を入手できるいわゆる国民感染症情報コールセンターのシステムを構築し、設置と運用を行う必要がある。現在の東南アジア、アフリカと、日本を含む先進諸国との間には、本感染症について、輸出国と輸入国という関係にある。これを解消する手段の一つとして適正な情報を常時提供する体制を構築し、これを両者共に普及させることは公衆衛生学上重要な起点である。
研究方法
 発生と流行の可能性から見て優先度の高い感染症48種について、その概要と代表的なQ&Aを作成した。また、全国47自治体における感染症対策の基本対応システムをファイル化した。この両者を公開するホームページを作成するとともに、電話での対応プログラムを作成した。このシステムの機能評価を、外部評価者約2000人に依頼し改良を行い、本格的な実施体制を整えた。
結果と考察
 新型鳥インフルエンザの発生に備えて、国及び全国自治体は発熱相談センターを始めとして、各自治体それぞれが住民からの問い合わせに応える体制を整備したが、自治体間格差がみられた。本研究では、普段から国民の求めに応じて適正で平易な内容を提供することを目的としてシステムを構築したもので、実際に運用が行われれば、アクセスの分散による情報提供の不能を回避することができること。普段からの啓発が行なわれることにより、新興再興感染症発生の機会が増しても国民の冷静な対処を強固にする機能があると考えている。
結論
H1N1インフルエンザが侵入し、ヒトーヒト感染が広がった際には、自治体間で反応の程度に差が見られたが、いずれにしても社会機能を低下せせるような住民の対応が見られた。こうしたことに対処する公衆衛生学的予防の方法として、平常時より適正で標準化された感染症情報を提供するシステムを構築し、各自治体に共通に設置して運用することは緊急時における国民の平静な対応を引き出す上で重要な機能を果たすことに疑いはない。本研究で構築したこの国民感染症情報コールセンターの運用を実地に起動することが早急に求められる。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-01
更新日
-

文献情報

文献番号
201028017B
報告書区分
総合
研究課題名
感染症情報国民コールセンター設置と実施に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
菅又 昌実(特定非営利活動法人 バイオメディカルサイエンス研究会(公立大学法人 首都大学東京) 国際協力部門、情報提供部門   )
研究分担者(所属機関)
  • 清水 一史(日本大学総合科学研究所)
  • 吉川 泰弘(東京大学農学生命科学研究科)
  • 太田 伸生(東京医科歯科大学)
  • 矢野 一好(北里環境科学センター)
  • 松井 岳巳(首都大学東京大学院)
  • 鈴木  哲(首都大学東京大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我が国は現在様々な新興再興感染症の脅威にさらされている。こうした脅威に対処する上で、国民誰でもが、必要な時に、いつでも、どこでも容易な手段で標準化された感染症情報を入手できる、いわゆる国民感染症情報コールセンターのシステムを構築し、設置と運用を行う必要がある。現在の東南アジア、アフリカと、日本を含む先進諸国との間には、本感染症について、輸出国と輸入国という関係にある。これを解消する手段の一つとして適正な情報を常時提供する体制を構築し、これを両者共に普及させることは公衆衛生学上重要な起点である。
研究方法
 発生と流行の可能性から見て優先度の高い感染症48種について、その概要と代表的なQ&Aを作成した。また、全国47自治体における感染症対策の基本対応システムをファイル化した。この両者を公開するホームページを作成するとともに、電話での応対プログラムを作成した。このシステムの機能評価を、外部評価者約2000人に依頼し改良を行い、本格的な実施体制を整えた。
結果と考察
 新型鳥インフルエンザの発生に備えて、国及び全国自治体は発熱相談センターを始めとして、各自治体それぞれが住民からの問い合わせに応える体制を整備したが、自治体間格差が見られた。本研究では、普段から国民の求めに応じて適正で平易な内容を提供することを目的としてシステムを構築したもので、実際に運用が行われれば、アクセスの分散による情報提供の不能を回避することができること。普段からの啓発が行われることにより、新興再興感染症発生の機会が増しても国民の冷静な対処を強固にする機能があると考えている。
結論
 H1N1インフルエンザが侵入し、ヒト―ヒト感染が広がった際には、自治体間で反応の程度に差が見られたが、いずれにしても社会機能を低下させるような住民の対応が見られた。こうしたことに対処する公衆衛生学的予防の方法として、平常時より適正で標準化された感染症情報を提供するシステムを構築し、各自治体に共通に設置して運用することは緊急時における国民の平静な対応を引き出す上で重要な機能を果たすことに疑いはない。本研究で構築したこの国民感染症情報コールセンターの運用を実地に起動することが早急に求められる。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-01
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201028017C

成果

専門的・学術的観点からの成果
 本研究は基礎研究ではない。新興再興感染症を中心とした優先度の高い感染症について、適正で標準化された情報を国民の自発的な要求に基づき提供するシステムを構築し、機能させることを目指して開発したものである。その機能は公衆衛生学的観点からの一次予防を効果的に発揮させようとする啓発的効果を主に狙ったものである。こうした試みは、先進諸国においても組織だって相談体制を置いているところは見られない。
臨床的観点からの成果
 本システムは平常時からの国民の持つ感染症についての知識を高め、流行時の適切な行動を促すという啓発的かつ予防的なものである。しかし、感染症の発生時や、流行時においては、ワクチンなどの予防についてだけでなく、臨床症状や適切な治療方法についても適切な情報を用意しており受診前の情報提供にも有用である。新興再興感染症の侵入と流行に際しては、医療機関に感染の疑いのある者が殺到する可能性もあり、こうした行動の抑制にも効果を発揮すると考えられる。
ガイドライン等の開発
 各自治体の感染症に対する応対について、基本方針と周知活動、相談内容別担当部署の担当者に直接連絡ができる全国自治体感染症対応相談マニュアルと言えるエクセルファイルを作成し、コールセンターで公開すると共に、全国の自治体感染症担当部門に最新バージョンを電子ファイルで配布している。電話による相談で、オペレーターを教育するマニュアルを作成し、相談員の育成に活用している。
その他行政的観点からの成果
 本研究では全国自治体にアンケートを行い、適正で標準化した感染症情報が各自治体に提供されることで、各自治体が別個に作成する必要がないこと。作成した内容の齟齬を防ぐ上でも必要性が高いという回答が約半数の自治体から回答が寄せられた。また、研究班が実施した全国自治体感染症対策シンポジウムでも適正で標準化された感染症情報提供のニーズがあること。発生していない感染症に対する具体的な活動は、人的予算的状況から難しいことから厚労省主導のもと本研究班が構築したシステムの稼働が早急に望まれるものと考えられる。
その他のインパクト
 我が国はその地理的環境から、新興再興感染症の輸出国の多い東南アジア諸国と接している。この感染症の輸出国と輸入国という関係を解消し、東南アジア全体で感染症の早期発見と流行の最小化を行う上で、本研究班が構築したシステムを、英語版、及び現地語版を作成することを意図して、ベトナムを始め東南アジア諸国との連携を推進している。我が国では、主に国民を対象としているが、東南アジアで連携している国では医療従事者を対象に情報提供のシステム構築に着している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
12件
日本における伝染病との闘いの歴史 菅又昌実 編書 2010 他11件
その他論文(英文等)
4件
A novel screening method for influ patients screening system. J infect.2010 他3件
学会発表(国内学会)
1件
室内空気中の微生物存在様式と呼吸器を介する感染症予防方法についての研究 2009 日本公衆衛生学会
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
都道府県における新型インフルエンザ相談窓口体制一覧 H1N1侵入前・後、患者全数把握 2009

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
 該当なし
該当なし
該当なし  (2010)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028017Z