地球温暖化に伴い変化する感染症に対する早期防御法確立に関する研究

文献情報

文献番号
201028015A
報告書区分
総括
研究課題名
地球温暖化に伴い変化する感染症に対する早期防御法確立に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 睦生(国立感染症研究所)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所)
  • 大前 比呂思(国立感染症研究所)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所)
  • 江下 優樹(大分大学 医学部)
  • 鈴木 隆二((独)相模原病院 臨床研究センター)
  • 前田 秋彦(京都産業大学 総合生命科学部)
  • 我妻 ゆき子(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
  • 滝澤 剛則(富山県衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
54,720,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術の確立とわが国のみならずアジアを含めたネットワークシステムの構築を確立することを目的とした。
研究方法
地球温暖化が感染症におよぼす影響については海外において断片的な報告がなされているのみである。また、多くの解析は必ずしも病原体の活動を反映する最適の指標を用いていない。本研究においては、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌を含め全種類の病原体についての解析を進めた。研究は、各種病原体及ぼす地球温暖化影響をモニタリングするための技術基盤の確立、確立した技術がわが国及びアジア各国において導入可能となるためのネットワークの確立、を中心に行った。
結果と考察
地球温暖化は感染症にも大きな影響を及ぼすと考えられている。世界的には、特に蚊媒介性感染症や水系感染症への影響が大きく、発生地域の拡大や、流行規模・患者数増加がおこると予想されている。しかし、地球温暖化の影響は各国の社会基盤や対応策等によって大きく変わる。地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するための基盤技術を確立した。地球温暖化が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立することを中心に研究を進めた。本研究により細菌、ウイルス、寄生虫・原虫、真菌感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。さらに、アジアにおける感染症と気候変動の関連に関する研究を遂行した。特に、バングラデシュにおける下痢症発生と降雨量との関連について関連性を明らかとした
結論
本研究においては、地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術を確立した。特に、地球温暖化の、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための基盤技術の確立を行った。種々の感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。また、バングラデシュにおける雨量と下痢症の発生に関する関連を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

文献情報

文献番号
201028015B
報告書区分
総合
研究課題名
地球温暖化に伴い変化する感染症に対する早期防御法確立に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 睦生(国立感染症研究所)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所)
  • 泉谷 秀昌(国立感染症研究所)
  • 大前 比呂思(国立感染症研究所)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所)
  • 江下 優樹(大分大学 医学部)
  • 鈴木 隆二((独)相模原病院 臨床研究センター)
  • 前田 秋彦(京都産業大学 総合生命科学部)
  • 我妻 ゆき子(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
  • 滝澤 剛則(富山県衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術の確立と、わが国のみならずアジアを含めたネットワークシステムの構築を確立することを目的とした。
研究方法
ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌を含め全種類の病原体についての解析を進めた。研究は、各種病原体及ぼす地球温暖化影響をモニタリングするための技術基盤の確立、確立した技術がわが国及びアジア各国において導入可能となるためのネットワークの確立、を中心に行った。
結果と考察
本研究により以下の結果を得た。地球温暖化が日本脳炎ウイルスの活動、分布息拡大に影響を及ぼすことを明らかにした。特に夏季の気温の影響が大きいが、影響は数週間の期間をおいて明らかとなる。地球温暖化がデング熱等を媒介するヒトスジシマカの分布域を拡大させることを明らかにした。ヒトスジシマカの分布域の北限は青森県に到達した。デング熱診断における NS1抗体測定法の有用性を確認した。海水中におけるビブリオ属菌等の遺伝子データバンクを作成し、定量的な把握法を確立した。ハマダラカ体内のマラリア原虫検出系を確立し、地球温暖化影響検出の基盤を整備した。簡便遺伝子検査系を確立し患者血清および環境中からヒストプラズマ遺伝子の検出に成功した。アジア地域でのデング熱、チクングニア熱の流行状況は雨木との関連が大きく、雨期の遅れが媒介蚊の発生動態に影響することを確認した。デング熱、日本脳炎、ウエストナイル熱の鑑別と確定診断のための中空粒子を用いた中和抗体検査法を開発した。異常気象現象、降雨や温度の変動が南アジアの下痢症発生に及ぼす影響解析の方法を確立し、雨量の増加が下痢症患者数を増加させることを示した。富山県において、ヒトスジシマカが高標高域に分布を広げつつあることを明らかにした。
結論
地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術を確立した。特に、地球温暖化の、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための基盤技術の確立を行った。種々の感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201028015C

成果

専門的・学術的観点からの成果
地球温暖化が感染症に及ぼす影響を早期に検出し、わが国における地球温暖化に伴う感染症の被害を防止するためのモニタリングのための基盤技術を確立した。特に、地球温暖化が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立することを中心に行った。本研究により、細菌、ウイルス、寄生虫・原虫、真菌感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。さらに、アジアにおける影響評価として、バングラデシュにおける下痢症発生と降雨量との関連について関連性を明らかとした。

臨床的観点からの成果
地球温暖化は人間の健康に大きな影響を継続的に及ぼすことが予想される。世界的には、特に蚊媒介性感染症や水系感染症への影響が大きく、発生地域の拡大や、流行規模・患者数増加がおこると考えられている。しかし、地球温暖化の影響は各国の社会基盤や対応策等によって大きく変わる。本研究により早期に温暖化影響を把握することにより、ワクチン接種等の対応策を推進することが可能となる。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
地球温暖化が、ウイルス、細菌、寄生虫・原虫、真菌感染症に及ぼす影響をモニタリングするための技術基盤を確立し、これらの各種感染症に関して、温暖化影響評価の技術確立が進展した。また、南アジアにおいて下痢症発生と降雨量との関連が明らかとなった。これらの技術や研究結果により、感染症に及ぼす温暖化を早期に検出し、わが国およびアジアにおける地球温暖化に伴う感染症に対する対応策をとることが可能となる。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
14件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
13件
学会発表(国際学会等)
10件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Moi ML, Lim CK, Kotaki A, et al
Importation of dengue virus type 3 to Japan from Tanzania and Côte d’Ivoire.
Emerging Infectious Diseases , 16 (11) , 1770-1772  (2010)
原著論文2
Moi ML, Lim CK, Kotaki A,et al.
Detection of higher levels of dengue viremia using FcγR-expressing BHK-21 cells than FcγR negative cells in secondary infection but not in primary infection.
Journal of Infectious Diseases , 203 (10) , 1405-1414  (2011)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028015Z