様々な依存症における医療・福祉の回復プログラムの策定に関する研究

文献情報

文献番号
201027128A
報告書区分
総括
研究課題名
様々な依存症における医療・福祉の回復プログラムの策定に関する研究
課題番号
H22-精神・一般-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮岡 等(北里大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 樋口 進(独立行政法人 国立病院機構 久里浜アルコール症センター)
  • 松本 俊彦(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
  • 小泉 典章(長野県精神保健福祉センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
16,420,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
依存症の中で、これまで検討される機会が少ない1)重複障害を有するアルコール・薬物依存、2)向精神薬依存、3)病的ギャンブリングを対象として研究を行い、依存症全体に対して医療、福祉がどのように対応し、治療システムを構築すべきかを明らかにする。
研究方法
1)―3)の課題に加え、行政機関の対応に関する研究の4つの班で構成される。各班で医療機関、薬局、自助グループ、行政機関などを対象にした実態調査、転帰調査、専門家による検討などを通して、最終的には治療マニュアルや対応マニュアル、関連機関リストを作成する。
結果と考察
重複障害研究では実態調査・転帰調査のために、調査票作成、協力施設同定を行った。これらは次年度の調査を可能にする。向精神薬乱用・依存研究では薬局を対象とした実態調査で、重複薬剤はエチゾラムが、重複診療科としては、「内科+整形外科」という組み合わせが最も多く、薬剤師の50.5%で過量服薬者に出会った経験があった。また薬剤師を対象に研修を行う必要性が明らかとなった。これらの結果は、対策案を講じる上で重要な資料になる。病的ギャンブリング研究では専門家会議で、疾患概念および治療や回復支援のためのメソッドについて有識者の意見をまとめ、国内の先進的な知見をまとめることができた。また医療機関の関心は予想されていたほど低いものではなく、今後の情報共有を進めることで、多くの治療や回復のための支援が行われることが期待できる結果が得られた。これらの結果は本邦における概念を集約することに繋がり、次年度以降の研究の基礎となる。依存症への対応方法普及に関する研究では、全国精神保健福祉センターの薬物依存症対策の実際調査で、個別相談指導はほぼ全ての精神保健福祉センターで実施されているものの、家族教室、技術援助、普及啓発の実施は施設間格差がみられた。また裁判所が薬物事犯に対し一定期間の刑を猶予し、精神保健福祉センターに、その執行猶予期間の相談対応や治療回復プログラムを希望した場合、対処可能なセンターは少数あるものの、今後、法務省と十分な協議を必要とすると思われた。これらの結果は行政機関の依存症に対する取り組みの実態を明らかにすることができるとともに、次年度以降の研究の基礎となる。
結論
依存症の中でこれまで充分に検討されていない領域に対する治療システム構築のため、各班で実態調査を開始し、すでにいくつかの知見を得ることができた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027128Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,340,000円
(2)補助金確定額
21,340,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
公布額を超える経費実支出額141円の出所は利息。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-