発達障害に対する長期的な追跡調査を踏まえ、幼児期から成人期に至る診断等の指針を開発する研究

文献情報

文献番号
201027127A
報告書区分
総括
研究課題名
発達障害に対する長期的な追跡調査を踏まえ、幼児期から成人期に至る診断等の指針を開発する研究
課題番号
H22-精神・一般-016
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
内山 登紀夫(福島大学大学院 人間発達文化研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 神尾 陽子(国立精神・神経医療研究センター)
  • 杉山 登志郎(浜松医科大学 児童青年期精神医学講座)
  • 吉田 友子(ペック研究所)
  • 藤岡 宏(つばさ発達クリニック)
  • 深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 行廣 隆次(京都学園大学 人間文化学部)
  • 吉川 徹(名古屋大学 親と子どもの診療科)
  • 辻井 正次(中京大学 現代社会科学部)
  • 宇野 洋太(よこはま発達クリニック)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
21,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
自閉症スペクトラムを中心に、幼児期早期から成人期を対象にした発達障害の診断・支援ガイドラインを作成する。
研究方法
ライフステージ別に、評価者の専門性に応じた妥当性・信頼性のある診断・評価ツールの開発を行い、既存のツールについては、より洗練させ、信頼性と妥当性を高める。さらに成人の自閉症スペクトラムの多次元的鑑別指標の同定に関する検討、早期支援方法の開発と効果を判定。児童・思春期の発達障害のある子どもへの診断告知等の技法の検討。一般の小児科医・精神科医が発達障害を診断・評価・支援できる技術を身につけるための医学心理学教育パッケージの開発を行い、実際にセミナーを開催。発達障害情報センターと発達障害者支援センターの情報共有と蓄積を効果的に行うためにWeb上での情報共有の方法を研究し、かつ支援介入効果についての実証的検討を行う。
結果と考察
DISCOの標準化について実際に発達障害のある児童の保護者に対してインタビューしたデータを収集中。CARS-HFについては翻訳準備中であり、原著者との意見交換および実施研修を2011年2月に実施。SCQについては既に翻訳を終え、2010年中にバックトランスレーションを行い原著者と協議。医師の研修については、2011年3月にTEACCHトレーニングセミナー形式による研修会を企画。
早期療育の効果検証については2歳からフォローアップしている4カ所の特徴ある早期療育グループの児童に関して、3-4歳時点での発達のチェックを行い、いずれの介入においても好ましい効果がみられた。児童・思春期の発達障害のある子どもの親を対象に、子どもに関する診断名告知に関する実態調査を行い現在解析中。社会性のスキル、コミュニケーション・スキルアサーションこだわり等への対応スキルなどの介入プログラムを完成。今治市の児童精神科クリニックで児童精神科医療のニーズを調査。今後、早期療育の大切さの認識が高まるにつれ、その入り口となる早期診断のニーズは地方でもさらに高まってくることが予想された。2005年に同市で出生した児童の1.33%が同クリニックで自閉症スペクトラムと診断されており非常に高率であることが注目された。
発達障害者支援センターの求める情報のニーズ、支援センターの基礎情報(構成員、特性等)について調査し、情報共有ツールについて検討し利用価値の高いデータベースプログラムを作成する準備を完了。高機能広汎性成人への動作模倣に関するMRIを用いた脳画像研究の結果は、ミラーニューロンの障害が認められ、これまでの研究結果を裏付けるものとなった。
結論
取りまとめ中

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027127Z