発達障害者の特性別適応評価用チャートの開発

文献情報

文献番号
201027117A
報告書区分
総括
研究課題名
発達障害者の特性別適応評価用チャートの開発
課題番号
H21-こころ・若手-021
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
船曳 康子(京都大学 医学部附属病院 精神科神経科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、発達障害者個々人の支援のニーズを本人や支援者に一目でわかるよう示すことにより、本人自身および周囲からの理解を促進し、多職種が連携して発達障害者の支援を迅速に進めることを目的としている。昨年度までに、原案にて大学病院精神科内で児童精神科医による評価者間信頼性を得ていたので、本年度は、評価者を効率的に増やし普及していくことを目的とした。
研究方法
京都市児童福祉センター、京都大学こころの未来センターが新たな連携機関として加わり、ミーティングによる議論を繰り返しながら、評価者を増やしていった。京都大学医学部附属病院精神科神経科の外来では、通院患者の同意の上、多職種が陪席する形で、複数が独立して評価し、各スコアーを比較した。非医師の評価者間一致率として、京都大学こころの未来センターの大学院生4名で解析した。SPSSの級内相関係数intraclass correlation coefficient(ICC)を算出して行った。
結果と考察
ICC(2,5)において、各特性ともに0.8を超え、全体平均で0.9、ICC(2,1)では全体平均で0.7を超えており、十分と考えた。また、全ての特性において、各ICCが有意にゼロから遠い値であるというp < 0.05であった。このため、本評価は必ずしも児童精神科医というタイトルを必要としないことが伺える。ただし、上記大学院生はいずれも発達障害児の療育を専門に行っており、免許の種類より発達障害者を理解して関わってきた経験が重要と考えられる。しかし、経験がなく、これから行いたいと考えられる評価者が発達障害を理解するにあたり、本チャートはわかりやすい土台となる可能性も考えられる。
 地域連携、普及という観点においては、地域の発達ネットワークや学校連携、他院でも利用され始め、他職種からのフィードバックがかかるようになっており、随時ブラッシュアップを重ねてきた。また、本年度に英文化をしており、国際的な利用に向けて状況を整えていく予定である。
結論
発達障害者の理解を自他共に促進し、トラブルを未然に防ぎ、ストレスを軽減して生活できよう、特性別要配慮度を図示するレーダーチャートを前年度より開発しているが、今年度は普及していくための方策を練った。発達障害を理解している人が(児童精神科医とは限らない)、若干のトレーニングを行えば、評価者として信頼性を得ることができると考えられた。実際に地域連携を行い、ブラッシュアップも重ねた。
また、今年度に英文化を行った。

公開日・更新日

公開日
2011-05-24
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027117Z