共生社会を実現するための地域づくりを促進する要因の解明

文献情報

文献番号
201027113A
報告書区分
総括
研究課題名
共生社会を実現するための地域づくりを促進する要因の解明
課題番号
H22-身体・知的・若手-010
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
堀口 寿広(国立精神・神経医療研究センター 社会精神保健研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 高梨 憲司(社会福祉法人愛光)
  • 佐藤 彰一(法政大学大学院 法務研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
共生社会を実現するための地域づくりを成功させる要因を明らかにする目的で、地域特性を客観的に表すモデルを作成することを目標として、先駆的な取り組みについてキーパーソンおよび行政担当者からの情報収集と、ソーシャルキャピタルを指標とした地域特性を客観的に表すモデルの基礎を構築することを今年度の研究目的として調査を実施した。
研究方法
先駆的な取り組みをしている5地域についてキーパーソンへの聞き取り調査を実施した。つぎに、全国の地方公共団体合計1,967箇所を対象として、独自の施策・事業を実施する過程における行政の関与のあり方と事業の実施に必要な予算額の適正な値を知るため内閣府の資料を参考に作成した障害福祉施策の関連予算額についてのアンケート調査と、事業評価表を参考に作成した障害福祉分野の独自の施策・事業について情報提供を求めるアンケート調査を実施した。つづいて、地域特性を把握する調査方法の実施可能性を検討するため、聞き取り調査に協力を得た地域のうち東京都三鷹市および茨城県鹿嶋市において、住民基本台帳より抽出した各1,000人を対象として、SSM85、SC-IQ、ネットワーク質問などをもとに作成したアンケート調査を実施した。
結果と考察
聞き取り調査からは、事業の進捗に地域特性、首長の理解、行政担当職員の理解など各種の要因が関与していることを確認した。地方公共団体への調査のうち、予算額の質問には236件の回答を得て、生活支援、生活環境の分野について予算額の増額を確認した。独自の施策・事業については118の事業について報告を受け、公共交通機関の乏しい地域を中心として障害者の移動支援を目的とした事業が多い一方で、地域住民による評価を受けた事業の少ないことが明らかになった。地域住民を対象とした調査には、それぞれ141件、118件の回答があり、両地域に共通して、人間関係が家族・親族を中心として構成され地域の行事への参加率は高くないこと、道路整備や地域内交通手段の拡充を求める意見が多いことがわかった。
結論
事業について地域住民からの評価を受けつつ地域の交通網を整備し交通バリアを解消することは障害の有無によらず地域住民のニーズを充足し共生社会を目指した地域づくりにつながることが示唆された。本研究で用いた手法により、地域特性の把握を目的としてソーシャルキャピタルを測定する調査を実施することは十分可能であると考えた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027113Z