リアルタイムfMRIを用いたバイオフィードバック法による精神科ニューロリハビリテーションへの応用

文献情報

文献番号
201027112A
報告書区分
総括
研究課題名
リアルタイムfMRIを用いたバイオフィードバック法による精神科ニューロリハビリテーションへの応用
課題番号
H21-障害・若手-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
松田 哲也(玉川大学 脳科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 英彦(京都大学 医学研究科 精神医学)
  • 久保田 雅也(成育医療研究センター 神経内科)
  • 渡邊 克巳(東京大学 先端科学技術研究センター)
  • 松浦 雅人(東京医科歯科大学大学院 保健衛生学研究科)
  • 大久保 善朗(日本医科大学 医学部 精神神経科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
扁桃体は情動に関連する領域であり、うつ病では扁桃体の活動が高く、また自閉症では扁桃体の活動が低下していると報告されている。これらの疾患において、扁桃体の活動が改善されることで症状も改善される可能性が十分考えられる。そこで、リアルタイムfMRIによるバイオフィードバック法を用いたトレーニングによって、扁桃体の活動を制御できる方法について検討をおこない、今後うつ病や自閉症を対象とした臨床応用の可能性について検討を行った。
研究方法
シーメンス社3テスラ-MRI(Torio Tim)を用い、EPI撮像1ボリューム毎にリアルタイム解析用PCへDICOM形式のファイルを転送させ、同時にTurbo Brain Voyager(Brain Innovation B.V.)を用いて、リアルタイムに脳活動の解析を行った。解析された脳活動は、刺激提示用PCに同時に転送し、刺激画像と同時に脳活動を棒グラブで呈示できるようにした。本課題開始前に、扁桃体の位置を同定するために、情動を惹起させる画像を呈示し、被験者はその画像をみているように教示した。そこで同定された扁桃体の領域をROIとした。課題は、扁桃体の活動を意識的に変化させることができるかを確かめる課題を行った。
結果と考察
情動刺激によるコンディショニングの後、バイオフィードバックを行い文字刺激により扁桃体の活動を変化させる条件では、情動刺激がなくても扁桃体の活動を変化させることが確認された。また、同条件でバイオフィードバックがない時には、扁桃体の活動を変化させることができなかった。
結論
リアルタイムfMRIによるバイオフィードバックにより、情動を惹起させる刺激がなくても、意識的に扁桃体の活動を変化させることが確認された。またバイオフィードバックがないときには変化させることが難しいことから、意識的に脳活動を変化させる場合には目安となる指標が必要であるということが確認された。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027112Z