自殺対策のための複合的介入法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201027109A
報告書区分
総括
研究課題名
自殺対策のための複合的介入法の開発に関する研究
課題番号
H22-精神・指定-022
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山田 光彦(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神薬理研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 清久(財団法人 精神・神経科学振興財団)
  • 稲垣 正俊(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
  • 大野  裕(慶應義塾大学保健管理センター)
  • 鈴木友理子(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
  • 平安 良雄(横浜市立大学大学院医学研究科精神医学)
  • 河西 千秋(横浜市立大学医学部精神医学教室)
  • 大久保善朗(日本医科大学精神医学教室)
  • 岸本 年史(奈良県立医科大学精神医学教室)
  • 酒井 明夫(岩手医科大学神経精神科学講座)
  • 宮岡  等(北里大学医学部精神科学)
  • 白川  治(近畿大学医学部精神神経科学教室)
  • 岩熊 昭洋(国立病院機構水戸医療センター)
  • 穐吉條太郎(大分大学医学部附属病院)
  • 堀川 直史(埼玉医科大学総合医療センター神経精神科)
  • 杉本 達哉(関西医科大学附属滝井病院)
  • 廣常 秀人(国立病院機構大阪医療センター)
  • 衞藤 暢明(福岡大学医学部 精神医学教室)
  • 岩田 仲生(藤田保健衛生大学医学部精神医学教室)
  • 朝田  隆(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 三村  將(昭和大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
59,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 先駆的な取組を踏まえ計画された2つの大規模多施設共同研究、「複合的自殺対策プログラムの自殺企図予防効果に関する地域介入研究:NOCOMIT-J」,「自殺企図の再発防止に対する複合的ケース・マネジメントの効果:多施設共同による無作為化比較研究:ACTION-J」を完遂することで,自殺対策に関わる政策立案に資するエビデンスを構築する。
研究方法
 本指定課題では、地域社会資源を複合的に用いることにより、医療モデルの枠を超えた自殺防止介入を行う。Nocomit-Jでは、複数地域を対象とした地域介入研究を行う。ベースラインデータ,介入プロセスデータ,救急搬送データ,人口規模212万人の研究参加地域の人口動態統計データを収集する。Action-Jでは、救命救急センターに搬送された自殺未遂者を対象とした無作為化比較介入試験を行う。参加登録した914名(目標数842名の108.6%)の対象者のベースラインデータ収集を完了し、平成23年6月末まで、介入と追跡を継続する。
結果と考察
 NOCOMIT-Jでは,データ固定作業を継続しつつ,市町村合併による集計データへの影響を調整している。厚生労働省は,NOCOMIT-Jで使用した介入プログラム等を各自治体が参照できるよう,自殺予防対策WEBを用いて公開している。
 ACTION-J研究では,追跡終了後に最終解析結果を確実に得られることを確認済みである。ACTION-Jにおいても,アウトカムとして死亡を扱うが,研究完遂に必須の死亡データ収集のために人口動態統計の二次利用のための体制の構築を行っている。
結論
 国立精神・神経医療研究センターによる専門的支援や,JCRACによるデータマネージメントを得る等,国主導による政策目標を達成するための研究実施体制を確立した。また,本指定研究は,複数の生物統計家等との協働が実現できており,高いレベルの検証が可能となっている。NOCOMIT-J及びACTION-Jの成果として最終解析終了後に創出されるエビデンスと,本研究で開発された介入資材やノウハウ等を,国の自殺対策に利用することが可能であり,アウトカム研究の普及・啓発の促進に大きく寄与する。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027109Z