うつ病の最適治療ストラテジーを確立するための大規模多施設共同研究

文献情報

文献番号
201027096A
報告書区分
総括
研究課題名
うつ病の最適治療ストラテジーを確立するための大規模多施設共同研究
課題番号
H22-精神・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
古川 壽亮(国立大学法人京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康増進・行動学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 米本 直裕(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター情報管理・解析部門 生物統計学疫学)
  • 明智 龍男(名古屋市立大学大学院医学研究科 精神医学)
  • 渡辺 範雄(名古屋市立大学大学院医学研究科 精神医学)
  • 下寺 信次(高知大学教育研究部医療学系 神経精神科学)
  • 尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学教室 精神医学)
  • 山田 光彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神薬理研究部 精神医学)
  • 稲垣 正俊(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神薬理研究部 精神医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、日本人の健康損失の最大原因であるうつ病について、①研究代表者および研究分担者たちが今までに明らかにした世界のベストエビデンスを踏まえた上で、②それでも明らかにならなかった重要な臨床疑問に解答すべく、③生物統計学疫学者とともに各臨床疑問に適したデザインを組み、④十分な統計学的検出力を持った大規模な無作為割り付け比較試験(RCT)とコホート研究と横断研究を、⑤先行研究に裏打ちされた実践力のある研究者が行い、⑥もって今後日本の精神医学で大規模臨床研究を行う際のひな形となる体制づくりを目指す研究である。
研究方法
研究代表者らは抗うつ剤の適正使用に関して最新のエビデンスを明らかにしてきた(BMJ 2002; Can J Psychiatry 2008; Lancet 2009)が、これを踏まえて世界の誰も分かっていない切実かつ重要な臨床問題が浮上してきた。そこで我々は、日本における抗うつ剤のファーストラインからセカンドラインに至る最適使用戦略を確立するために大規模実践的RCTを行う。
次に、我々は周産期うつ病をパラダイムとして、二世代にわたる大規模コホート研究を行い、生物心理社会的なリスクおよびレジリエンス因子を解明する。
このようにして得られた治療や予防についての知見も、広く国民に均霑化されなくてはならない。そこで、国民と医療との第一の接点であるかかりつけ一般診療科でのうつ病の診断や治療について、有病率、発見率、治療導入率を明らかにする。
結果と考察
大規模実践的RCTについては、当初の研究計画に従い、平成22年4月に倫理委員会でのプロトコルの承認を取った後、5-9月には種々の手順書 (SOP)を作成し、12月からパイロット研究を全12施設で開始し、合計53例の登録があった。
コホート研究においても、妊産婦に特異的な気分障害の有病率と経過推移の把握を続け、11月現在、エントリー数625名、産褥1ヶ月までの質問紙が回収できた数465名、児出生1年半までのフォロー数33例を得て、産後の抑うつと関連する要因に関する検討を行った。
横断研究においても、内科外来受診患者の477名にうつ病スクリーニングを実施した。スクリーニング陽性患者に加え無作為に抽出した患者104名に対して精神科医が構造化診断面接を実施し、有病率を調査した。
結論
平成23年度は第2年度であるので、上記結果をふまえて、さらにデータを蓄積する。

公開日・更新日

公開日
2011-05-24
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027096Z