抗精神病薬の多剤大量投与の安全で効果的な是正に関する臨床研究

文献情報

文献番号
201027094A
報告書区分
総括
研究課題名
抗精神病薬の多剤大量投与の安全で効果的な是正に関する臨床研究
課題番号
H22-精神・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 仲生(藤田保健衛生大学 医学部 精神神経科学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「統合失調症に対する抗精神病薬の多剤・大量投与について、その実態の把握に努めるとともに、たとえば単剤投与や切り替え・減量といった改善を促すため、情報公開や評価の方法について検討」することが、精神医療の質の向上において求められている。
研究方法
 これを踏まえ等研究班では、

A. 抗精神病薬の多剤大量投与の実態を把握し、
B. 抗精神病薬の多剤大量処方の安全で効果的な是正についてのプロトコールを作成し、
C. それを大規模臨床研究で実証し、
D. ガイドラインとして公表する、

といった方策を検討した。
結果と考察
 平成22年度ではおもにA.B.に関して十分な検討を行うと同時にC.の実施に向けた臨床試験の実施体制の整備を行った。

A.においては、吉尾が2005年から行っている精神科病衣等を対象とした入院患者全数の処方調査の協力を得て、全国152施設に入院している23,000人余りの統合失調症患者の処方を全数調査した。

B.においては、助川が従来の抗精神病薬原料の経験や知見に基づいて、安全性に配慮した薬剤ごとの減量最大速度表の作成を行った。また、この減量を行うに当たり、見るべき臨床指標の検討を稲垣が行った。ほかに、多面的かつ効果的な減量の効果や安全性を検討すべく吉村は生物学的指標の予備的検討を行った。稲田・助川は、身体への影響を考慮した指標の選定を行った。
結論
 A.において、新たに第二世代抗精神病薬同士の併用が増えてきていることに着目し、減量臨床試験においても新たな対応が求められる。また、Bにおける指標等の選定を踏まえ、C.の実施に向けた体制構築を行い実施施設に対する具体的な方策について検討したところであり、今後臨床試験を加速的に進めてまいりたい。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027094Z