児童青年精神科領域における診断・治療の標準化に関する研究

文献情報

文献番号
201027092A
報告書区分
総括
研究課題名
児童青年精神科領域における診断・治療の標準化に関する研究
課題番号
H22-精神・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
齊藤 万比古(独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院 精神科部門診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 順三(奈良県立医科大学 医学部)
  • 金生 由紀子(東京大学 医学部)
  • 亀岡 智美(大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター)
  • 齊藤 卓弥(日本医科大学 医学部精神医学教室)
  • 新井 卓(神奈川県立こども医療センター )
  • 渡部 京太(国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科)
  • 桝屋 二郎(法務省 神奈川医療少年院)
  • 岡田 俊(京都大学 医学部)
  • 西村 良二(福岡大学 医学部)
  • 小平 雅基(国立国際医療研究センター国府台病院 児童精神科)
  • 山崎 透(静岡県立こども病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、わが国においていまだ全国に普及し体系づけられたとは言い難い児童青年精神科医療(ここでは児童思春期とほぼ同義で用いている)の確立を目指し、均てん化すべき医療モデル(地域連携システムを含む)および専門家の養成システムなどを提示することを目的として取り組まれたものである。
研究方法
本研究は、研究代表者を含む12名の班体制で取り組む3年計画の研究で、障害別診療モデル研究グループ、専門家養成のあり方研究グループ、総合化研究グループの3領域に分かれた分担研究で取り組む。初年度は研究目的の確認と各研究間での方法の調整を行い、研究課題に関する文献研究およびパイロット・スタディに取り組んだ。次年度からは、順次各分担分野のガイドラインの作成に取り組み、関連学会誌に投稿し、査読を経て掲載を目指す。同時に総括研究として均てん化すべき児童思春期精神医療の地域拠点病院の設置に向けた工程表の作成に取り組む。最終的にはこれらを包括したガイドラインとして公表を目指す。
結果と考察
いまだ児童思春期精神科医療機能の全国への普及は道半ばであり、また設置される機関の診療機能も成人のそれの直接的な導入であることが多く、児童思春期の精神発達の特性を加味した精神医療の準拠すべき臨床モデルは見当たらないのが現実である。発達障害、チック障害・強迫性障害、心的外傷関連障害、気分障害、不登校・ひきこもりをもたらす精神障害、統合失調症、外在化障害の子どもに特有な標準的診療機能を提示すること、地域の拠点病院として子どもを扱う諸機関との連携システムの設置・運用法を明確にすること、当該領域を担う専門家の養成法を提示しモデル的研修を担うことが本研究の使命といえる。これらの機能をバランス良く備えた医療機関設置を促すような標準的な診療機能リストと工程表が求められる所以である。
結論
本研究の目指す児童思春期精神科医療の標準モデルは、子どもの心の診療の普及と質の担保には欠かすことのできない手がかりを与えるものと思われる。今後進める学会誌の査読を経たガイドラインの提示は、その学術的価値の高い、その意味で中立性の高い基準の作成と公表を可能にする。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027092Z