サルコメア配列異常を主病変とする筋ジストロフィーの病因・病態の解明と治療法の開発

文献情報

文献番号
201027082A
報告書区分
総括
研究課題名
サルコメア配列異常を主病変とする筋ジストロフィーの病因・病態の解明と治療法の開発
課題番号
H21-こころ・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
林 由起子(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部)
研究分担者(所属機関)
  • 西野 一三(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部 )
  • 野口 悟(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部 )
  • 三橋 弘明(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部 )
  • 毛塚 悦子(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第一部 )
  • 松田 知栄(独立行政法人 産業技術総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
筋原線維の配列の乱れと細胞内異常タンパク質の蓄積を主病理変化とする筋ジストロフィーは筋原線維性ミオパチーと総称されている。本研究は本邦におけるMFMの臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とする。
研究方法
生検骨格筋レポジトリーの中から筋原線維性ミオパチーと診断された日本人107家系について、 ゲノムDNAを用いて既知の7個の疾患関連遺伝子DES, CRYAB, MYOT, ZASP, BAG3, FLNC, FHL1および新規疾患関連候補遺伝子の変異スクリーニングを行った。また、新たに同定した遺伝子変異の病態への具体的関与を効率よく検証する方法として、in vivo エレクトロポレーション法およびモデル動物としてのメダカの有用性を検討した。
結果と考察
筋原線維性ミオパチー全107家系について、既知7遺伝子の変異スクリーニングを終了し、それぞれの頻度ならびに臨床病理学的特徴を明らかにした。既知疾患関連遺伝子に変異の認められない例が筋原線維性ミオパチーの約70%にのぼる事を明らかにし,それらの症例に対し、現在、新規疾患候補遺伝子の変異解析を進めている。我々の同定した2種のMYOT変異を用い、患者骨格筋で認められた筋病理変化をin vivoエレクトロポレーション法を用いてマウスで極めて良好に再現しえた。また、小型魚類であるメダカをモデル動物として、サルコメア構造の維持におけるフィラミンCの重要性を明らかにすることによって、メダカの有用性を立証するとともに、今後の筋原線維性ミオパチーの病態解明に有用なツールとして確立した。
結論
本邦における筋原線維性ミオパチーの遺伝学的特徴を明らかにするとともに、同定した新規変異の効率的病態解析方法を確立した。筋原線維性ミオパチーの70%は原因不明であり、今後、新規疾患関連遺伝子のスクリーニングを進めるとともに、効率よく病態解明を進める予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027082Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
41,600,000円
(2)補助金確定額
41,600,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 0円
合計 0円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
-