文献情報
文献番号
201027068A
報告書区分
総括
研究課題名
反復磁気刺激によるパーキンソン病治療の確立
課題番号
H20-こころ・一般-023
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宇川 義一(福島県立医科大学 医学部 神経内科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 辻 貞俊(産業医科大学 神経内科)
- 大津 洋(東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学)
- 飛松 省三(九州大学 医学部 臨床生理)
- 中島 健二(鳥取大学 医学部 神経内科)
- 横地 房子(都立神経病院 神経内科)
- 福留 隆泰(長崎川棚医療センター 臨床研究部)
- 花島 律子(東京大学 医学部 神経内科)
- 生駒 一憲(北海道大学 医学部 神経内科)
- 松永 薫(熊本機能病院 神経内科)
- 杉山 憲嗣(浜松医科大学 脳神経外科)
- 齋藤 洋一(大阪大学 医学部 脳神経外科)
- 梶 龍兒(徳島大学 医学部 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的はパーキンソン病の運動症状を確実に改善させるrTMS刺激法を確立し、非運動症状に対する有効性も確認することである。今年度は、多施設共同探索的臨床研究の登録結果、従来の方法よりも効果的なrTMS刺激法の開発につき報告する。
研究方法
探索的臨床研究(UMIN000001576): 平成20年度までに、研究体制確立、実施計画策定を行い、研究システムを確立した。平成21・22年度に同研究システムにのっとり、症例登録を進めた。試験の種類・デザインは探索的臨床試験 (多施設共同無作為化比較試験)である。3群に無作為に割りつけ。盲検性の確保:評価者には刺激方法をブラインド化。
より効果的な刺激法の開発:当初の計画にあったrTMSの作用機序の解明を発展させ、より効果的な刺激方法の開発も並行して行った。
より効果的な刺激法の開発:当初の計画にあったrTMSの作用機序の解明を発展させ、より効果的な刺激方法の開発も並行して行った。
結果と考察
探索的臨床研究(UMIN000001576:平成20年11月4日より登録を開始し、平成22年10月1日の登録終了までに106例の登録があった。患者背景に関しては、各群において患者背景に有意な差は認められなかった。プライマリエンドポイントであるUPDRS part 3の改善度は、シャム群において約1.8点、低頻度刺激群で約3.2点、高頻度刺激群で約3.6点であった。また、非運動症状の評価スケールであるNMSQに関しては、磁気刺激治療後に改善傾向を認めた。登録は全例終了したものの、平成23年3月22日の時点でデータが最終段階になっていない症例もあり、最終解析は今後出る予定である。現時点での解析では、磁気刺激が運動症状、非運動症状ともに改善効果を示している傾向がある。また、本研究は、これまでの世界のrTMS治療研究のなかで最も症例数の多いものであり、最終結果発表の折には非常にインパクトの強い知見になるとが想定される。
より効果的な刺激法の開発:平成22年度には、我々が開発した新しいrTMS法であるQPSの効果が、BDNFの遺伝子多型によらず誘導されることが示され従来の刺激方法より強力な効果があることが証明された。
より効果的な刺激法の開発:平成22年度には、我々が開発した新しいrTMS法であるQPSの効果が、BDNFの遺伝子多型によらず誘導されることが示され従来の刺激方法より強力な効果があることが証明された。
結論
探索的臨床研究については、運動症状・非運動症状ともに効果ありと考えられた。であった。新しい刺激法の開発では、補足運動野刺激の治療効果発現機序を考える上で重要な知見が得られた。
公開日・更新日
公開日
2011-09-05
更新日
-