MEMS/NEMS人工聴覚器による感音難聴治療法開発

文献情報

文献番号
201027046A
報告書区分
総括
研究課題名
MEMS/NEMS人工聴覚器による感音難聴治療法開発
課題番号
H22-感覚・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 壽一(京都大学 医学研究科 耳鼻咽喉科学)
研究分担者(所属機関)
  • 中川 隆之(京都大学 医学研究科 耳鼻咽喉科学)
  • 坂本 達則(京都大学 医学研究科 耳鼻咽喉科学)
  • 平海 晴一(京都大学 医学研究科 耳鼻咽喉科学)
  • 川野 聡恭(大阪大学大学院 基礎工学研究科 分子流体力学)
  • 土井 謙太郎(大阪大学大学院 基礎工学研究科 量子分子動力学)
  • 新宅 博文(大阪大学大学院 基礎工学研究科 MEMS流体)
  • 舘野 高(大阪大学大学院 基礎工学研究科 数理生物学)
  • 和田 仁(東北大学大学院 工学研究科 機械工学)
  • 小池 卓二(電気通信大学 電気通信学部 知能機械工学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、高度難聴および中等度難聴に対する新しい治療方法として、Micro/Nano-Electro-Mechanical Systems (MEMS/NEMS)を用い、完全埋め込み可能であり、外部電源を必要としない人工聴覚器および関連する手術手技を開発し、前臨床試験を完遂することである。
研究方法
研究初年度である平成22年度は、これまでに開発した圧電素子膜を用いた人工感覚上皮および周辺器機の改良、開発を行い、前臨床試験に向けた研究開発を進めた。臨床応用に向け、本年度は、圧電素子膜からの出力向上、デバイスの小型化、モルモットモデルでのデバイスのfeasibilityの証明に関連する研究を施行した。
結果と考察
圧電素子膜を用いた完全埋め込み型聴覚デバイス・人工感覚上皮の開発として、圧電素子膜出力向上のための改良、モルモット蝸牛に埋め込み可能な小型デバイスの作製、ラセン神経節刺激条件至適化のための電極開発を行い、モルモット蝸牛への埋め込み実験により、外耳道から与えた音響刺激がデバイスの圧電素子膜を適切に振動させること、中耳伝音系からの音響刺激によりデバイスが発電することを確認した。これらの研究成果は、われわれが考案した人工感覚上皮の実現性を示すものといえる。
結論
圧電素子膜の薄膜化による出力向上については、過去に報告したプロトタイプデバイスの圧電素子膜の全体の膜厚の非薄化、素材の変更により、出力を20倍以上の増強に成功した。また、モルモット蝸牛基底回転埋め込み用デバイスを作製し、モルモット蝸牛に埋め込み後、外耳道からの音響刺激がデバイスの圧電素子膜に伝達されること、耳小骨を介した音響刺激により、デバイスが発電することを確認し、人工感覚上皮の実現性を示すことができた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027046Z