新生児聴覚スクリーニング導入以前と以後に育った先天性難聴児の診断・治療による中等教育までの成果と不都合な現実の対策のための研究

文献情報

文献番号
201027043A
報告書区分
総括
研究課題名
新生児聴覚スクリーニング導入以前と以後に育った先天性難聴児の診断・治療による中等教育までの成果と不都合な現実の対策のための研究
課題番号
H22-感覚・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
加我 君孝(東京医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 福島 邦博(岡山大学 医学部)
  • 坂田 英明(目白大学 保健医療学部)
  • 神田 幸彦(神田耳鼻咽喉科entクリニック)
  • 城間 将江(国際医療福祉大学 保健学部)
  • 内山 勉(東京医療センター 臨床研究センター)
  • 松永 達雄(東京医療センター 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

概要版(繰越課題)
①人工内耳の手術前と手術後の注意すべき点について患者説明用パンフレットを作成し、患者と家族のため
の教育を行った。
②高等教育について調べ、幼児期に聴覚口話法で教育を受けた場合の大学進学率は、乳幼児通園施設では
60~70%、聾話学校では50%、一方手話も併用するろう学校の幼稚部出身者は40%であることを明らかに
した。
③2001年医師法の中の欠格条項が廃止後の動向を調査した。医師を目指す者が増え、すでに医師になった
者が4名おり、そのうち2名は人工内耳装用者で、1名とはコンタクトをとった。
④患者教育用の冊子として、研究分担者の福島による「人工内耳の授業」を作成した。
⑤患者教育用の冊子として、研究分担者の神田による本人の人工内耳体験記「人工内耳術者としての私の
人生」を作成した。
⑥幼小児の難聴の解説DVD「幼小児の難聴―新生児聴覚スクリーニングから補聴器・人工内耳まで」を
完成させた。
⑦しかし、新生児聴覚スクリーニングの内容、精密聴力検査の結果に対して、安易な説明をする小児科医
や耳鼻科医が少なくないことが判明した。そのために両親が振り回される不都合な現実が明らかとなった。
⑧新生児聴覚スクリーニング後及び多施設でのABR及びASSRによる精密聴力検査でABRの波形の判読、
ASSRの判定が正しくない場合がを多数発見し、両親に対する過小あるいは過大な説明を既にしてあること
がわかり、そのような不都合な現実の症例集の作成、準備を開始した。
⑨超低出生体重児(400~900gの生下時体重)症例には、内耳、蝸牛神経、中枢および視覚障害、言語障害、
運動発達障害などさまざまな問題のある例が存在することがわかり、その症例集の作成に着手した。
⑩人工内耳と大学教育に関する市民公開講座を開催し、市民への啓蒙を行った。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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収支報告書

文献番号
201027043Z