知的障害者の地域生活移行に関する支援についての研究

文献情報

文献番号
201027024A
報告書区分
総括
研究課題名
知的障害者の地域生活移行に関する支援についての研究
課題番号
H22-身体・知的・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 発達障害情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 高木 晶子(国立障害者リハビリテーションセンタ 自立支援局 秩父学園)
  • 石渡 利奈(国立障害者リハビリテーションセンタ 研究所)
  • 北村 弥生(国立障害者リハビリテーションセンタ 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,520,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在福祉サービス体系が十分には整備されていないと考えられる2つの群、軽度から境界域知的障害者群、重度知的障害者群について、規模、支援手法、制度利用方法の調査を行う。また両群に対し、地域生活移行を支援する補完機器、親亡き後のキーパーソンとなる同胞への支援手法を調査し開発する。軽度から境界域知的障害者群としては、特に発達障害者を対象とする。
研究方法
第一に我が国においてどの程度の対象者が想定されるか推計を行う。
第二に、軽度から境界域知的障害者群に自立訓練・就労移行支援を施行し、同サービスを利用する効果、制度の利用方法、対象者のガイドラインについて分析を行う。
第三に、重度知的障害者群の地域生活移行に必要な包括的支援について、秩父学園において調査、分析、検討を行う。
第四に、知的障害者の同胞との関係、同胞への支援手法について調査、開発を行う。
第五に、知的障害者の地域生活に有効な補完手段(道具・機器)の調査、開発を行う。
結果と考察
初年度は、発達障害成人の地域生活移行に関する支援ニーズや課題の共有化のためのアセスメントツールとして国際生活機能分類(ICF)を確認した。その上でICFに基づくアセスメント開発に向け、発達障害に関する過去5年間の文献724件を分析し、アセスメントの課題設定に必要な論文32編を抽出した。さらに、就労時の困難の解決に向け、開発が求められる支援ツールは、職場生活を営む上での土台となる、「自身の言動を自己管理し、日々のスケジュールの遂行する」スキル領域のものであることが考察された。同胞に関しては、家族のうちキーパーソンに対して支援者との協力体制の確立および当事者の自立を促すための支援が必要なこと、キーパーソン以外への家族(父親やきょうだい)への関わりが薄いことへの対処のあり方を検討する必要があることが明らかとなった。重度知的障害者の地域生活移行に関しては、秩父学園生のうち18才以上の54名の重症度分析、家族の意向調査および先行事例調査を行った。その結果、対象群は「動く重症心身障害者」に相当し、意向調査に回答した44家族では地域生活移行について肯定的が38%、否定的が27%、わからないが35%であった。
結論
次年度は、これらの継続および、地域移行評価表の作成および地域移行支援プログラムの試行、アセスメントツールの開発と試行を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027024Z