強度行動障害の評価尺度と支援手法に関する研究

文献情報

文献番号
201027015A
報告書区分
総括
研究課題
強度行動障害の評価尺度と支援手法に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
井上 雅彦(鳥取大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大塚 晃(上智大学)
  • 安達 潤(北海道教育大学)
  • 辻井 正次(中京大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では強度行動障害について、これまでの我が国での行動障害への評価と施策の検証を行い、評価方法の開発および行動障害への効果的な介入技法の検討を行うことを目的とする。
研究方法
22年度は評価研究については昨年度の結果を受け、学齢期および知的障害を伴わない発達障害のある人も含めた強度行動障害の状態像の分析、また環境要因を評価するための支援尺度の開発を行った。さらに医療費加算を受け精神科にて入院治療を受けた事例の調査・分析を行った。また支援研究としては、早期対応として学齢期の知的障害特別支援学校に対するコンサルテーションの効果分析(予防)、地域でのケアホームでの支援事例の検討(地域での治療と定着)、入所施設から地域への移行支援の事例の追跡調査(施設から地域への移行)、について検討を行った。
結果と考察
 強度行動障害判定評価表得点と知的障害の程度、PARS得点の分析から強度行動障害と自閉性障害の高い関連性が明らかになった。この結果に基づいて、自閉性障害に対する基本的支援を生活環境の中でどの程度受けているかを評価する支援尺度を開発し、知的障害のない発達障害もその対象に入れて調査した結果、行動障害の各尺度と本尺度との高い関連性が示された。これによって個人の状態としてのみの行動障害の評価から環境要因を含めた評価が可能になるとともに、発達障害も含めた評価について基礎的なデータの蓄積が可能になった。
 支援研究については、早期からの機能分析に基づくコンサルテーションによって、特に低年齢の対象児の行動障害について大きな改善が示された。また地域での支援についてはケアホームを基盤とした、療から定着までの地域支援システムの確立の重要性が示された。また従来の強度行動障害支援事業を経た支援事例の予後調査から、地域移行の条件として定期的な医療機関受診やショートステイや巡回訪問による状態の把握があげられた。
結論
 強度行動障害に対して環境要因の視点からの評価については、「支援尺度」開発により一定の効果を得た。23年度においては支援尺度の調査対象の数を増やして妥当性を高めるとともに支援システムにどのように組み入れるか検討していくことが必要となる。さらに早期支援・地域支援について専門的な支援の提供を行える専門機関を含めたシステムの在り方について検討すると同時に、行動障害への支援にかかわる職員の専門性の向上のための研修システムの効果、コンサルテーションの効果について客観的なデータにもとづく検討を行っていきたい。

公開日・更新日

公開日
2011-07-12
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027015Z