青年期・成人期の発達障害者に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究

文献情報

文献番号
201027006A
報告書区分
総括
研究課題名
青年期・成人期の発達障害者に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究
課題番号
H20-障害・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直司(山梨県立精神保健福祉センター )
研究分担者(所属機関)
  • 志賀 利一(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設 望みの園)
  • 塚本 千秋(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)
  • 鳥海 順子(山梨大学 教育人間科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年になって、ひきこもりやニートといった若者の社会的問題の多くに発達障害が少なからず関連していること、青年期・成人期の発達障害者が多くの支援を必要としていることが認知されるようなってきている。また、ネットワーク支援や機関連携の重要性は常に強調されることではあるが、その具体的なあり方が明示される機会は少ない。本研究は、広汎性発達障害を中心に、青年期・成人期における高機能の発達障害者に対するネットワーク支援のガイドラインを作成・普及することを目的とする。
研究方法
ガイドライン作成に向けて、平成20年度は、全国の発達障害者支援センターと精神保健福祉センターの相談ケース181件を通して、発達障害者の生活・支援ニーズ、ネットワーク支援の現状と課題・問題点などを把握した。また、就労支援の現状と課題、ネットワーク支援における精神科医療機関の役割、高等学校における現状と課題を把握した。平成21?22年度は、ネットワーク支援の概念整理を進めた。また、事例集の作成に向けて、事例収集の方法論と倫理的側面について検討した。また、発達障害ケースの生活類型とそれぞれの生活・支援ニーズに関する概念整理、精神科診療所を対象とした調査、教育と障害福祉・就労支援のネットワークに関する検討などを通して、青年期・成人期を迎えるまでに必要な支援のあり方、青年期・成人期に至ったケースの生活・支援ニーズと福祉的支援のあり方などについて検討した。
結果と考察
青年期・成人期の発達障害者は多様な生活・支援ニーズを有し、支援にあたる機関・サービスも極めて広範に渡っているいることがわかった。また、近年のサービスは行動に専門化・細分化されており、ケアマネージャー・コーディネーターの役割が大きいことが確認された。また、医療、教育の分野では多くの専門家が発達障害者の治療やネットワーク支援に対する困難さを感じており、ガイドラインに対する期待が高いこと、就労支援はサービス・機関が細分化され、生活状況や支援プロセス、障害者手帳の有無などによって、きめ細かいケアマネジメントが必要であることがわかった。
結論
上記の作業過程を通して作成したガイドライン案に対して、全国の発達障害者支援センターと精神保健福祉センターから寄せられた意見をもとに検討を加え、完成版を作成に至った。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

文献情報

文献番号
201027006B
報告書区分
総合
研究課題名
青年期・成人期の発達障害者に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究
課題番号
H20-障害・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直司(山梨県立精神保健福祉センター )
研究分担者(所属機関)
  • 志賀 利一(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設 望みの園)
  • 塚本 千秋(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター)
  • 鳥海 順子(山梨大学 教育人間科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年になって、ひきこもりやニートといった若者の社会的問題の多くに発達障害が少なからず関連していること、青年期・成人期の発達障害者が多くの支援を必要としていることが認知されるようなってきている。また、ネットワーク支援や機関連携の重要性は常に強調されることではあるが、その具体的なあり方が明示される機会は少ない。本研究は、広汎性発達障害を中心に、青年期・成人期における高機能の発達障害者に対するネットワーク支援のガイドラインを作成・普及することを目的とする。
研究方法
ガイドライン作成に向けて、平成20年度は、全国の発達障害者支援センターと精神保健福祉センターの相談ケース181件を通して、発達障害者の生活・支援ニーズ、ネットワーク支援の現状と課題・問題点などを把握した。また、就労支援の現状と課題、ネットワーク支援における精神科医療機関の役割、高等学校における現状と課題を把握した。平成21~22年度は、ネットワーク支援の概念整理を進めた。また、事例集の作成に向けて、事例収集の方法論と倫理的側面について検討した。また、発達障害ケースの生活類型とそれぞれの生活・支援ニーズに関する概念整理、精神科診療所を対象とした調査、教育と障害福祉・就労支援のネットワークに関する検討などを通して、青年期・成人期を迎えるまでに必要な支援のあり方、青年期・成人期に至ったケースの生活・支援ニーズと福祉的支援のあり方などについて検討した。
結果と考察
青年期・成人期の発達障害者は多様な生活・支援ニーズを有し、支援にあたる機関・サービスも極めて広範に渡っているいることがわかった。また、近年のサービスは行動に専門化・細分化されており、ケアマネージャー・コーディネーターの役割が大きいことが確認された。また、医療、教育の分野では多くの専門家が発達障害者の治療やネットワーク支援に対する困難さを感じており、ガイドラインに対する期待が高いこと、就労支援はサービス・機関が細分化され、生活状況や支援プロセス、障害者手帳の有無などによって、きめ細かいケアマネジメントが必要であることがわかった。
結論
上記の作業過程を通して作成したガイドライン案に対して、全国の発達障害者支援センターと精神保健福祉センターから寄せられた意見をもとに検討を加え、完成版を作成に至った。

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201027006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、近年、医療、福祉、教育、就労支援、司法・矯正等、多くの領域で課題となっている青年期・成人期の発達障害者に対する治療・支援をテーマとしたものである。また、抽象的になりがちなネットワーク支援や機関連携について概念化したことも重要な成果と考えられる。
臨床的観点からの成果
本研究は、医療、福祉、教育、就労支援、司法・矯正等、幅広い領域の臨床・支援について取り上げており、研究の成果として作成された支援ガイドラインは、多様な領域の臨床家・専門家が活用できる内容となっている。とくに、ネットワーク支援の実践例を収集した事例集により、経験の浅い臨床家・援助者が有効な治療・支援のあり方をイメージできるように配慮されている。
ガイドライン等の開発
本研究班はネットワーク支援のガイドライン作成を目的に組織されたものであり、成果として「青年期・成人期の発達障害者へのネットワーク支援に関するガイドライン」を作成、公表した。ガイドラインは、発達障害者の支援ニーズに関する整理・分類、ネットワーク支援の概念整理、医療、就労支援、福祉、教育(高等学校、大学等)におけるネットワーク支援のあり方、ネットワーク支援の事例集などから構成されている。
その他行政的観点からの成果
ネットワーク、連携はさまざまな行政施策において常に強調されることであるが、その実際や具体的な方法論が示される機会は少ない。本ガイドラインは地域の関係機関を対象とした研修等にも活用できる内容となっている。

その他のインパクト
精神医学領域の学術総会におけるシンポジウムや学術専門誌の特集などで取り上げられている。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
3件
近藤直司:発達臨床とネットワーク支援.精神科臨床サービス11(2);174-178,2011 他2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
近藤直司:青年期における発達障害と精神科医療.第105回日本精神神経学会シンポジウム「発達障害とライフステージ」.2009
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
近藤直司、岩崎弘子、小林真理子他
青年期ひきこもりケースの精神医学的背景について
精神神経学雑誌 , 109 (9) , 834-843  (2007)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201027006Z