要介護認知症の危険因子・抑制因子の探求に関する前向き疫学研究

文献情報

文献番号
201026018A
報告書区分
総括
研究課題名
要介護認知症の危険因子・抑制因子の探求に関する前向き疫学研究
課題番号
H21-認知症・若手-007
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山岸 良匡(国立大学法人筑波大学 人間総合科学研究科社会健康医学)
研究分担者(所属機関)
  • 朝田 隆(国立大学法人筑波大学 人間総合科学研究科精神医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、これまで脳血管疾患の予防対策を長期間継続してきた茨城県と秋田県の2地区において、1981年から1995年までの循環器疾患健康診査データと、1999年以降の介護保険データを突合して、コホート内症例対照研究を行い、要介護認知症の危険因子・抑制因子の探求を行うこととしている。本年度は、昨年度に実施した茨城県の地域住民に加えて、秋田県の地域住民についても2005年 3月まで要介護認知症の発症を追跡し、主に抗炎症・抗酸化物質、血清脂質・脂肪酸を測定して、中間分析を行った。
研究方法
1984年から1995年までの茨城県及び秋田県の某農村地域の基本健康診査の受診者のうち、茨城県については2005年3月末まで、秋田県については2009年12月末までに要介護認知症を発症した431人を症例とした。また対照として同時期の健診受診者で、症例の認定日に生存している者を、健診受診年、健診受診年齢、性を1対2で症例とマッチさせた。これらの全症例対照1293人のうち、1170人について健診受診時の血清(非空腹時採血)が得られた。これらの症例対照について、高感度C反応蛋白(hs-CRP)、ホモシステイン、各種脂肪酸を測定し、一般の健診所見とあわせて要介護認知症との関連を条件付きロジスティックモデルにより分析した。また、うち約500人の症例対照については、血清システイン、グルタチオン、トコフェロール類、コエンザイムQ10を同様に分析した。
結果と考察
要介護認知症の発症に対して、喫煙、血圧値、糖尿病、血清総コレステロールが正の関連または傾向を示し、αリノレン酸が負の関連を示した。
結論
最終年度には、今回の結果をもとに、最終の例数を揃えた上で慎重に検証し、本研究としての結論を総括する予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-08-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201026018Z