若年認知症の社会参加を支援するアセスメント手法およびコーディネート手法の開発

文献情報

文献番号
201026014A
報告書区分
総括
研究課題名
若年認知症の社会参加を支援するアセスメント手法およびコーディネート手法の開発
課題番号
H22-認知症・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
竹内 さをり(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
研究分担者(所属機関)
  • 沖田 裕子(特定非営利活動法人認知症の人とみんなのサポートセンター)
  • 中西 亜紀(大阪市弘済院附属病院 神経内科兼精神科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,397,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、若年認知症の人の社会参加を支援する方法を体系的に明らかにし、支援がどこの地域でも行えるようにすることである。若年認知症への支援は本人と家族へのオーダーメードの支援体制作りをすすめることが重要であるとされているが、若年認知症者に対するコーディネートの具体的方法やアセスメントの項目等は明らかになっておらず、社会参加を支援する体系的な方法を明確にした研究はまだない。
本研究は、これまでも若年認知症者に対する活動の支援を行っている家族会や社会活動の場、協力者のもとで、具体的なコーディネートの方法やアセスメントの項目等を検討し、体系的に明らかにするものである。
研究方法
若年認知症者の相談窓口の協力により介護保険制度等の既存サービスを利用できない、利用がスムーズにいかないケースを抽出、対象者の紹介を得る。既存の相談活動や社会活動の場を活用し、若年認知症本人、家族の状態をアセスメントし、ケアプランを一緒に作成。既存の活動や他のサービスを通じて支援を実施。これらプロセスの記録、本人、家族の状態のアセスメント内容をデータに集積し、そのコーディネート手法、アセスメント項目を分析し手法案を作成する。
結果と考察
若年認知症の相談窓口の協力を得て、サービスの利用がスムーズにいかない若年認知症者で、本研究への同意を得た15例(男性4名、女性11名、平均年齢 58.5歳)をアセスメントし、ケアプランを作成した。既存の活動や他サービスを通じた支援を実施した経過記録を元に本人、家族について行ったアセスメント、コーディネート内容を抽出し、活動継続の要素、社会サービスにつながる要素について検討を行った。その結果からアセスメントに必要な要素を示すシートとコーディネート方法の検討に使用する手法案を作成した。手法案は4種類あり、現段階のステージを知ることで進むべき方向性を把握することができるもの、社会資源の活用状況を把握し活用できる社会資源を網羅するもの、社会資源の利用の制限因子を分析するもの、具体的なサポート方法を記したものを作成した。これらを用いることで、若年認知症の支援を行う際に具体的手法が明確になると考える。
結論
一年目に開発した手法案を用いて、平成23年度は複数の認知症連携担当者が若年認知症者と家族に対するアセスメント、コーディネートを実施する。その結果を検証し、一定の手法を完成する予定である。

公開日・更新日

公開日
2011-06-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201026014Z