文献情報
文献番号
201026004A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症治療を目的とした変異型オリゴマーアミロイドペプチドを抗原とする神経免疫療法の開発
課題番号
H21-認知症・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森 啓(大阪市立大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 富山 貴美(大阪市立大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1998年にノースウェスタン大学のKlein博士により発見されたADDLsが発端となり、ハーバード大学のSelkoe博士が、アルツハイマー病原因説としてシナプス変性を提唱した。その主たる病因分子であるlow-n Aβオリゴマーは、2006年にミネソタ大学のAshe博士によってAβ*56の別称で議論された分子と合わせて、ことでAβオリゴマーの意義がほぼ定着したと云える。本研究では、我々が発見したアミロイド前駆体蛋白質(APP)の新しい変異E693Δを発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)を用いて、老人斑形成やAβオリゴマーの蓄積と病態変化を解析し、Aβオリゴマーモデルマウスとしての妥当性を検証し、神経免疫療法へ着手するエビデンスの構築を研究目的とする。
研究方法
<細胞死検出分析>
ミトコンドリアレポーター分子(JC-1)染色により、生細胞と死細胞を判別することにした。同時に、チトクロームCの細胞質への漏出を観察した。
<脳PET解析>
脳炎症反応の検出には、末梢系ベンゾディアゼピン受容体に結合する放射能標識リガンドを使用して活性化ミクログリアの脳画像PETを観察した。
ミトコンドリアレポーター分子(JC-1)染色により、生細胞と死細胞を判別することにした。同時に、チトクロームCの細胞質への漏出を観察した。
<脳PET解析>
脳炎症反応の検出には、末梢系ベンゾディアゼピン受容体に結合する放射能標識リガンドを使用して活性化ミクログリアの脳画像PETを観察した。
結果と考察
結果
1.細胞内オリゴマーの蓄積と脳内病変
モデルマウス脳内では、ニューロン内Aβの異常蓄積と細胞外への分泌低下が観察された。細胞外への分泌に細胞内コレステロールが重要であり、Aβ1-40あるいはAβ1-42の化学的な性質が大きく関係することがin vitroの系で示唆された。グリアの経時的増加も観察され、脳内炎症が細胞内Aβオリゴマー蓄積と同期していた。
2.細胞死分子機構
Aβオリゴマーによる機能性チトクロームCがAPPE693Δ発現をした細胞ではミトコンドリア画分から細胞質画分への漏出があることを確認した。
考察
Aβオリゴマーの蓄積は、モデルマウス脳から抽出するAβオリゴマーは、Selkoeのいうlow-n Aβオリゴマー型であるが、高分子量域にあるADDLsやAβ*56のAβオリゴマー型を追試できていないが、この再現性は、必須の課題であると考えている。
1.細胞内オリゴマーの蓄積と脳内病変
モデルマウス脳内では、ニューロン内Aβの異常蓄積と細胞外への分泌低下が観察された。細胞外への分泌に細胞内コレステロールが重要であり、Aβ1-40あるいはAβ1-42の化学的な性質が大きく関係することがin vitroの系で示唆された。グリアの経時的増加も観察され、脳内炎症が細胞内Aβオリゴマー蓄積と同期していた。
2.細胞死分子機構
Aβオリゴマーによる機能性チトクロームCがAPPE693Δ発現をした細胞ではミトコンドリア画分から細胞質画分への漏出があることを確認した。
考察
Aβオリゴマーの蓄積は、モデルマウス脳から抽出するAβオリゴマーは、Selkoeのいうlow-n Aβオリゴマー型であるが、高分子量域にあるADDLsやAβ*56のAβオリゴマー型を追試できていないが、この再現性は、必須の課題であると考えている。
結論
AD発症原因分子として注目されているAβオリゴマーに特化した実験的モデルマウスを作成した。本モデルは、診断および治療薬開発の標的モデルマウスとして今後の研究に有用である。
公開日・更新日
公開日
2011-06-28
更新日
-