文献情報
文献番号
201024269A
報告書区分
総括
研究課題名
多発肝のう胞症に対する治療ガイドライン作成と試料バンクの構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-214
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大河内 信弘(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 福永 潔(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
- 村田 聡一郎(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
- 野口 雅之(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
- 竹内 朋代(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
- 横橋 祐子(筑波大学 大学院 人間総合科学研究科)
- 工藤 正俊(近畿大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
多発肝のう胞症(Polycystic Liver Disease, PLD)は、肝臓に多数ののう胞が形成される難治性良性肝疾患である。のう胞の増加や巨大化のために長期にわたって生活に支障をきたし、肝移植を必要とするケースもあるが、本疾患について病態の詳細はわかっていない。そのために有効な治療方法が確立しておらず、研究を行うためのヒト組織や臨床情報の入手が非常に困難である。PLDの原因解明や治療方針の作成は重要な課題であり、本研究では全国の肝疾患、難治性疾患の専門家と連携して研究・調査推進のための情報・試料(組織)バンクを構築することを目的とした。
研究方法
1. 患者数の調査(一次調査)
肝癌研究会登録施設を中心とした全国490施設の医療機関に調査票を送付して、現在診療している患者の有無を調べた。
2. 症状・治療方法などの実態調査(二次調査)
一次調査において、患者有りと回答した167施設の医療機関の医師に調査票を送付して、患者の年齢、性別、治療の有無等を調査した。
3. 試料(組織)の収集
過去にPLDの肝切除または肝移植を行った5施設に保管されている13症例の既存試料(組織)を収集した。
肝癌研究会登録施設を中心とした全国490施設の医療機関に調査票を送付して、現在診療している患者の有無を調べた。
2. 症状・治療方法などの実態調査(二次調査)
一次調査において、患者有りと回答した167施設の医療機関の医師に調査票を送付して、患者の年齢、性別、治療の有無等を調査した。
3. 試料(組織)の収集
過去にPLDの肝切除または肝移植を行った5施設に保管されている13症例の既存試料(組織)を収集した。
結果と考察
全国の肝疾患や難治性疾患を専門とした施設にPLDの実態調査への協力を依頼して全国167施設に499人のPLD患者が存在し、治療もしくは経過観察が行われていることを明らかにした。治療として穿刺吸引、肝切除、肝移植および動脈塞栓術等が行われていることが明らかになったが、適応、効果については今後、個別に詳細な調査を行い、治療ガイドライン作成の際の参考資料とする。
並行して筑波大学で既に手術検体の収集・管理を行っているヒト組織バンクを利用して既存試料(組織)の収集を行った。次年度以降はこれらの試料(組織)に関して腫瘍マーカーの免疫組織化学染色やのう胞形成に関連した遺伝子の発現レベルを解析する予定である。
並行して筑波大学で既に手術検体の収集・管理を行っているヒト組織バンクを利用して既存試料(組織)の収集を行った。次年度以降はこれらの試料(組織)に関して腫瘍マーカーの免疫組織化学染色やのう胞形成に関連した遺伝子の発現レベルを解析する予定である。
結論
・ 肝疾患を専門とする医療機関のうち167施設に499人のPLD患者がいることが分かった。
・ 患者の年齢は40歳以上が多く、性別はこれまでに報告されているように女性が多い傾向が見られた。
・ 治療方法は、穿刺吸引、肝切除、肝移植および動脈塞栓術等が行われていた。
・ 治療効果や予後については詳細が分かっておらず今後の課題である。
・ 難治性疾患を克服するためには、データや組織等の試料をバンキングして研究利用をすることが不可欠である。
・ 患者の年齢は40歳以上が多く、性別はこれまでに報告されているように女性が多い傾向が見られた。
・ 治療方法は、穿刺吸引、肝切除、肝移植および動脈塞栓術等が行われていた。
・ 治療効果や予後については詳細が分かっておらず今後の課題である。
・ 難治性疾患を克服するためには、データや組織等の試料をバンキングして研究利用をすることが不可欠である。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
-